« 2015年8月 | トップページ | 2015年10月 »

2015年9月

2015年9月30日 (水)

Polygala tricholopha Chodat

ベトナムの人からとPolygalaの同定依頼が舞い込む。写真を見ると・・・以前私が見つけた以下の写真の種と一緒じゃね? と思い、今まで放置していたこの種の名前を調べ、ひとまず返信。「exatctly」とのお言葉をいただき、同定が大丈夫そうなので以下に掲載しておきます。

Polygala好きの人は昨年出版された次の文献を是非。
Colin A Pendry (2014) Flora of Cambodia, Laos and Vietnam, Volume 34: Polygalaceae. National d'Historire Naturelle.

-----------------
Polygala tricholopha Chodat, Mém. Soc. Phys. Genève 31(2): 98, pl. 17, f. 20 (1893).
Distribution: India, China, Laos, Thailand, Vietnam.

Polygala_tricholopha
標高700-1000m付近に生え、頂生の花序をつけるPolygala。

Polygala_tricholopha2
葉は無毛で、乾かすと三次脈まで浮き出るのが特徴(だと思う)。

Polygala_tricholopha3
花の色は多少変異がある模様。ここの個体群はkeelとappnedageの部分が咲きめは一番上の写真のように薄い赤紫色だが、完全に咲いた状態では黄色に変わっていた。

2015年9月29日 (火)

Harpullia arborea (Blanco) Radlk.

Sapindaceaeにはこんな属もあります。果実が印象的でした。

-------------
Harpullia arborea (Blanco) Radlk., Sitzungsber. Math.-Phys. Cl. Königl. Bayer. Akad. Wiss. München 16: 404 (1886).
Ptelea arborea Blanco, Fl. Filip. 63 (1837).
Distribution: Cambodia, India, Indonesia, Philippines, Sri Lanka, Malaysia, Thailand, Vietnam.

Harpullia_arborea
小葉は3-4対。

Harpullia_arborea2
葉裏。側脈はやや浮き出る。

Harpullia_arborea3
果実序。果実は裂開するタイプで表面には毛が生えている。新芽には褐色の毛が密に生えているところにも注目。

Harpullia_arborea4
果実の中には種子が2つ。

2015年9月28日 (月)

Dacrycarpus imbricatus (Blume) de Laub.

Dacrycarpus imbricatusも東南アジアに広く分布している植物。やや標高の高い、湿り気の多いところでよく見かけますが、低地でもKerangasなどの貧栄養の場所に出てきます。

---------------
Dacrycarpus imbricatus (Blume) de Laub., Arnold Arbor. 50: 317 (1969).
Podocarpus imbricatus Blume, Enum. Pl. Javae 89 (1827).
Distribution: Cambodia, China, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Papua New Guinea, Philippines, Thailand, Vietnam.

Dacrycarpus_imbricatus
新枝が伸びている様子。

Dacrycarpus_imbricatus2
ちょっとピンボケですが、葉裏。

Dacrycarpus_imbricatus4
種子。花序のすぐ下についているbract状の葉が、通常の葉と変わっている点も興味深い。

2015年9月27日 (日)

Areca triandra Roxb. ex Buch.-Ham.

昨日のPinangaでAreca triandraの話が出たので、こちらもアップしておきましょう。

------------------
Areca triandra Roxb. ex Buch.-Ham., Mem. Wern. Nat. Hist. Soc. 5: 310 (1826).
Distribution: Cambodia, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Areca_triandra
東南アジアで割と普通に見かける種類。株立ちにならず1本立ちのものが多い。

Areca_triandra2
茎は緑色。

Areca_triandra3
葉裏。これは林床に生えていた小型のものなので葉の列片の幅は狭い。

Areca_triandra4
Pinangaの花序と全く異なるAreca triandraの花序。先端が縮れてしまうのが特徴のひとつ。

2015年9月26日 (土)

Pinanga sylvestris (Lour.) Hodel

Arecaceaeの仲間も東南アジアの森林の重要な構成要員。低地からかなりの高地まで、様々な種類を普通に見ることができます。

-----------------
Pinanga sylvestris (Lour.) Hodel, Palm J. 139: 55 (1998).
Areca sylvestris
Lour., Fl. Cochinch. 568 (1790).
Distribution: Cambodia, China, Laos, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Pinanga_sylvestris
森の(sylvestris)Pinangaという名の通り、インドシナの森では(やや標高の高いところで)ごく普通にみかけるPinanga。同所的に普通に生えているAreca triandraとは茎の太さや色で簡単に区別できます(A. triandraの茎は太くて緑色)。

Pinanga_sylvestris3
葉裏。まあいわゆるヤシの葉っぱです。

Pinanga_sylvestris2
果実。15㎝程度の花序にたくさんの果実をつけていました。

2015年9月25日 (金)

Carex scaposa C.B.Clarke

Peliosanthesかと思いきや、Carexの穂が出ていてびっくり。「スゲもやればできるじゃん!!!」と叫びたくなるほど、幅広の葉をもつスゲにベトナムの山中で深く感銘を受けました。

------------------------
Carex scaposa C.B.Clarke, Bot. Mag. 113: t. 6940 (1887).
Distribution: China, Vietnam.

Carex_scaposa
葉は長いもので40㎝以上あり、意外と大型。

Carex_scaposa2
葉は全体無毛。穂がないと「ああ、よくあるPeliosanthesね~」と見逃していたことでしょう。

Carex_scaposa3
花序の先端部。花序には全体的に微毛が生え、柱頭は3岐しています。

2015年9月24日 (木)

Guioa diplopetala (Hassk.) Radlk.

2種目のSapindaceae。Sapindaceaeもいろいろと属があり、なかなか面白いグループです。

---------------------
Guioa diplopetala (Hassk.) Radlk., Actes Congr. Int. Bot. Amst. reimpr.: 88 (1879).
Cupania diplopetala Hassk., Cat. Hort. Bot. Bogor. 224 (1844).
Distribution: Cambodia, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Guioa_diplopetala
やや標高の高い湿り気のあるところに多いGuioa。

Guioa_diplopetala2
葉裏。インドネシアで見たものは葉はより大形で側脈もかなり裏に凸なのですが、インドシナのものは葉は小型でのっぺり。

Guioa_diplopetala3
果実はDioscoreaのように3つのヒレがあります。

2015年9月23日 (水)

Microdesmis caseariifolia Planch. ex Hook.

南アジアに広く分布し、低地~山地の常緑林でときどき見かけるMicrodesmis。本属はアフリカに8種、東南アジアに2種の合計10種が認められているそうです。

--------------------
Microdesmis caseariifolia Planch. ex Hook., Hooker's Icon. Pl. 8: 758 (1848).
Distribution: Bangladesh, Cambodia, China, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Microdesmis_caseariifolia
あまり特徴がないのが特徴、とする種のひとつ。強いて言うなれば枝が緑色でジグザグしているところ。

Microdesmis_caseariifolia2
葉裏。新芽以外はほぼ無毛。

Microdesmis_caseariifolia3
果実はサイズ1㎝にも満たない。熟すとオレンジ色に。

2015年9月22日 (火)

Exacum paucisquamum (C.B.Clarke) Klack.

東南アジアの森では、少し標高の高いところに行くと、光合成をやめてしまった従属栄養の植物を時折見かけます。それはランだったり、ツチトリモチだったり、、ヒナノシャクジョウだったり、タヌキノショクダイだったり。とある日、タイの山の中でリンドウ科の従属栄養の植物を見つけました。萎れ始めていますが、青紫色の花の色は見事でした。

------------------------
Exacum paucisquamum (C.B.Clarke) Klack., Bot. Jahrb. Syst. 126: 478 (2006).
Cotylanthera paucisquama C.B.Clarke, Fl. Brit. India 4: 94 (1883).
Distribution: China, India, Thailand

Exacum_paucisquamum
地上部の高さは5㎝程度で、花は直径約1㎝ほど。周囲をちらっと探しても1個体しか見出だせませんでした。

2015年9月21日 (月)

Fissistigma glaucescens (Hance) Merr.

ベトナム中北部で初見のFissistigmaに出会い、調べたらこの種に。以前紹介したカンボジアで見たFissistigma thorelii (Pierre ex Finet & Gagnep.) Merr. に比べると、全体的に小型で確かに寒さに強そうな雰囲気。

-----------------
Fissistigma glaucescens (Hance) Merr., Philipp. J. Sci. 15: 132 (1919).
Melodorum glaucescens Hance, J. Bot. 19(220): 112 (1881).
Distribution: China, Vietnam.

Fissistigma_glaucescens
低地の林縁にたくさん生えていました。

Fissistigma_glaucescens2
葉裏は真っ白で、種小名はおそらくこの特徴を表したもの。

Fissistigma_glaucescens3
花はMelodorum fruticosumに似ています。

Fissistigma_glaucescens4
果実は小型で8mmくらいでした。

2015年9月20日 (日)

Croton argyratus Blume

東南アジアに広く分布している、割と大きな木になるCroton。散発的ですが、確かに色んな国で見かけます。

------------------
Croton argyratus Blume, Bijdr. Fl. Ned. Ind. 12: 602 (1826).
Distribution: Indonesia, Malaysia, Philippines, Thailand.

Croton_argyratus
まだ新しい葉が展開したばかり。

Croton_argyratus2
葉裏は銀色。

Croton_argyratus3
花序の一部。先端部の雄花は落ちてしまい、雌花のみが残っている。

2015年9月19日 (土)

Vitex axillariflora (Merr.) Bramley

花が黄色い単葉のVitex。こんなVitexは中国にもベトナムにもタイにもマレーシアにもインドネシアにも報告がなかったので、きっとV. vestitaに近縁な新種だ!と思ったのですが、知り合いのベトナム人からあっさりこれはTsoongia axillariflora Merr.だよ、と教えてもらい、あえなく意気消沈。確かに!

しかしこれはどう見てもVitexの範疇。分子系統ではきっとTsoongiaはVitexに入ってしまうだろう!と思っていたら・・・この考えもすでにBramleyら(2009)により立証されていて、立て続けに撃沈してしまったのでした。ざんねーん。

---------------------
Vitex axillariflora (Merr.) Bramley, Taxon 58: 508 (2009).
Tsoongia axillariflora Merr., Philipp. J. Sci. 23: 264 (1923).
Distribution: China, Myanmar, Vietnam.

Vitex_axillariflora
沢沿いに生えていて、葉は1つの木の中で単葉と3小葉のものが混じっている。

Vitex_axillariflora2
葉裏。ほぼ毛はない。

Vitex_axillariflora3
花序を横から。

Vitex_axillariflora4
ガク裂片は3つあり、一番上が大きい。

2015年9月18日 (金)

Rennellia elliptica Korth.

暇なようでやらねばならぬことは山積。タイムリミットはあと3週間。少しずつ、着々と片付けていくしかありません。

-----------------------
Rennellia elliptica Korth., Ned. Kruidk. Arch. 2(2): 257 (1851).
Distribution: Indonesia, Malaysia.

Rennellia_elliptica
スマトラの低地~標高600m付近までやや普通に見られるアカネ科の低木。

Rennellia_elliptica2
全体無毛。

Rennellia_elliptica3
花は5数性。R. ellitpicaは通常3つの花の子房が1つに融合しています。

2015年9月17日 (木)

Vitex vestita Wall.

25日までスマトラ島の森の予定でした。が、インドネシアの森林火災(による煙害)が今回訪問する予定だった地域において健康に悪影響を及ぼすレベルに達してしまったそうで、あえなく中止となり、予定を切り上げて帰国しました。現地の方々は大丈夫なのでしょうか。

-----------------------
Vitex vestita Wall., Prodr. [A. P. de Candolle] 11: 692. (1847).
Distribution: China, India, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Vitex_vestita
広域分布しているVitex。沢沿いによく見られるらしい。最近気になっていた植物なので今回見つけることができて良かった。

Vitex_vestita2
葉柄にも葉裏にも、細かい毛がびっちりと生えています。

Vitex_vestita3
果柄はもちろん、果実の表面にも毛が生えていました。

2015年9月10日 (木)

Sloanea javanica (Miq.) Koord. & Valeton

更新が滞っておりますが、実は先月末よりインドネシアにやってきているのでした。

第一弾のフィールドから街中に戻り、ようやくインターネットがまともに使えるようになったので、ちょこっとだけ更新しておきます。来週からまた森に行き、25日に帰国します。

----------------------
Sloanea javanica (Miq.) Koord. & Valeton
Distribution: Indonesia, Malaysia.

Sloanea_javanica
二次林の沢沿いででっかい葉っぱのSloaneaを発見。

Sloanea_javanica2
Elaeocarpusに比べると鋸歯がないのがSloaneaの特徴のひとつ。

Sloanea_javanica3
長い花柄の先に3-7個の花を咲かせていました。

Sloanea_javanica4
雄蕊はとてもたくさん!子房の表面はsmoothで、発達した果実も表面にはS. signのようなもしゃもしゃした構造を欠いているそうです。

« 2015年8月 | トップページ | 2015年10月 »

カテゴリー

無料ブログはココログ