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2015年7月

2015年7月18日 (土)

Diplopanax sp.

明日から今年度2度目のベトナムへ。更新がしばらく滞りますが、その分なんじゃこりゃ!と、唸るような面白い植物を探してきたいと思います。

ちなみに前回のベトナムで一番びっくらこいたのは、花があるのに現場では科すらも分からなかったこちらの植物。

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Diplopanax vietnamensis Aver. & T.H.Nguyên, Novon 12: 435 (2002).
Distribution: Vietnam (endemic).

D. vietnamensisと当初紹介しましたが、誤同定でした。Diplopanax stachyanthus Hand.-Mazz. ? にとても似ているのですが、形質で合致しない点があり、判断を先延ばしにすることにしました(16 March 2015, 追記)。
 

Diplopanax_vietnamensis
D. vietnamensisは2002年という比較的最近認知された種で、この属は他にDiplopanax stachyanthus Hand.-Mazz. 1種が知られるのみ。D. stachyanthusはAraliaceaeの植物として記載されていたそうです。

しかし改めて見ると枝の緑色と葉柄のピンク色といった雰囲気は確かにMastixiaに似ています。

Diplopanax_vietnamensis2
葉裏はのっぺりとしてあまり葉脈は見えない。

Diplopanax_vietnamensis3
花弁は5枚で雄蕊は10本。花序軸には微毛が生えています。

2015年7月17日 (金)

Exbucklandia tonkinensis (Lecomte) H.T.Chang

Hamamelidaceaeは種数こそそこまで多くないものの、つる性のものから高木のものまで、そして形態的にいくらか変わった形をしたものが多く、実に多様化して魅力的な分類群であります。

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Exbucklandia tonkinensis (Lecomte) H.T.Chang, Acta Sci. Nat. Univ. Sunyatseni 1959(2): 32 (1959).
Distribution: China, Laos, Vietnam.

Exbucklandia_tonkinensis
ベトナム中部で見つけたExbucklandiaの一種。とりあえずこの種でいいのでは、と。

Exbucklandia_tonkinensis2
葉裏。三次脈がやや見える。

Exbucklandia_tonkinensis3
果実は集合果(と言っていいのだろうか?)。それぞれ出っ張ったところが、先端から4つに開いて種子が出てきます。

2015年7月16日 (木)

Wrightia laevis Hook.f.

昨日に続いて今日もApocynaceaeを一種。インドシナでWrightiaと言えばW. dubiaをまず思い浮かべますが、ずいぶん心象の違うこんなWrightiaもありました。えいやっと、広域分布のこの種に同定。

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Wrightia laevis Hook.f., Fl. Brit. India 3: 654 (1882).
Distribution: Australia, China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Wrightia_laevis
道路沿いの林縁にて。

Wrightia_laevis2
葉裏。毛なし、テカテカです。

Wrightia_laevis3
花にはしゃもしゃした部分があり、花筒はごく短く、雄蕊は完全に突き出しています。こうして見ると確かに昨日のKibataliaの花とは違って見えてきます。ううむ。

2015年7月15日 (水)

Kibatalia laurifolia (Ridl.) Woodson

Apocynaceaeは属の数が多く、どういう属があり、それらは何が違っているのか、未だによく分かっておりません。花も果実も全部一緒に見えてしまう・・・。

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Kibatalia laurifolia (Ridl.) Woodson, Sunyatsenia 3: 102 (1936).
Distribution: Malaysia (Peninsula), Thailand, Vietnam.

Kibatalia_laurifolia
道端に生えていた低木。これがよもやKibataliaだったとは。

Kibatalia_laurifolia2
葉裏の脈腋には目立つdomatiaがあります。

Kibatalia_laurifolia3
花はやや黄色みを帯びた白色。これは咲き始めの花なので分かりにくいですが、雄蕊が少しだけ花筒から出ています。

2015年7月14日 (火)

Helicia obovatifolia Merr. & Chun

前回のベトナムとタイではHeliciaの仲間が花盛り。5種ほど花を見かけたのですが、まともに同定できたのはまだ1種だけ。こちらの種も中国で記載されたこの種にあてられているようですが、何となくですが実は違うような・・・いやはや難しいです。

Heliciaの仲間はH. elephantiに続き、2種目となります。

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Helicia obovatifolia Merr. & Chun, Sunyatsenia 5(1–3): 45 (1940).
Distribution: China, Vietnam.

Helicia_obovatifoliaa
葉は丸みを帯、名前の通りややovate。

Helicia_obovatifolia2
葉裏。新しい葉は褐色の毛に覆われるが、やがて脱落。

Helicia_obovatifolia3
H. vestitaのように花序に毛が生え、ボルネオに分布するH. fuscotomentosa Suess.との関係が気になるところです。

2015年7月13日 (月)

Premna balansae Dop

Vitexの一種だろうと調べるも同定できず。ならば新種だ!と半ば投げやりに気味にワクワク、ドキドキ・・・したのですが、結局はPremnaの種にばっちり同定できてしまいました。VitexとPremna、一体何が違うのやら。

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Premna balansae Dop, Bull. Soc. Bot. France 70: 445 (1923).
Distribution: Vietnam.

Premna_balansae
林縁にやや普通に見られた樹高5-6mの低木。5月末が花盛りでした。

Premna_balansae2
葉は形も脈の見え方もApocynaceaeのUrceola micranthaにそっくり。

Premna_balansae3
花と若い果実。微毛がびっしりと生えています。

2015年7月12日 (日)

Elaeocarpus floribundus Blume

今日は福岡県の某所に行ってカラタチバナを見てきました!

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Elaeocarpus floribundus Blume, Bijdr. Fl. Ned. Ind. 3: 120 (1825).
Distribution: Cambodia, India, Indonesia, Malaysia, Philippines, Thailand, Vietnam.

Elaeocarpus_floribundus
東南アジアに広く分布し、普通種と言ってもきっと過言ではないElaeocarpus。葉は大きく、光沢があります。30mを超える大木に生長します。

Elaeocarpus_floribundus2
葉裏もテカテカ。

Elaeocarpus_floribundus3
花序は葉の落ちた枝からニョキっと。

Elaeocarpus_floribundus4
花序の一部。Elaeocarpusの花はどの種もほとんど一緒に見えます・・・ええ、もう困ったことに。

2015年7月11日 (土)

Phalaenopsis pulcherrima (Lindl.) J.J.Sm.

葉っぱだけちらほらと見たことのあったランの花にようやく出会え、種名を確認することができました。

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Phalaenopsis pulcherrima (Lindl.) J.J.Sm., Repert. Spec. Nov. Regni Veg. 32: 366 (1933).
Doritis pulcherrima Lindl., Gen. Sp. Orchid. Pl. 178 (1833).
Distribution: Cambodia, China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Phalaenopsis_pulcherrima
日当たりの良い岩場にたくさん生えていたPhalaenopsis。

Phalaenopsis_pulcherrima2
花の色にはかなり変異があるようですが、この個体群は色の濃淡が絶妙でした。

2015年7月10日 (金)

Bauhinia saccocalyx Pierre

熱帯に広く、多様化して様々な環境に分布するBauhinia。約300種あるそうですが、まだ30種程度しか出会っていません。

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Bauhinia saccocalyx Pierre, Fl. Forest. Cochinch. t. 400 B.
Distribution: Cambodia, Laos, Thailand, Vietnam

Bauhinia_saccocalyx
乾燥季節林に広くみられるBauhiniaの一種。6月上旬、タイの東北部ではちょうど花盛りを迎えていました。

Bauhinia_saccocalyx2
葉裏。Buhiniaも慣れてくると葉っぱだけでもある程度見分けがつくようになってきます。

Bauhinia_saccocalyx3
花はぱっとマメ科には見えない放射相称。白色で1.5㎝ほどと、Bauhiniaの中では割と小型といっていいでしょう。

2015年7月 9日 (木)

Aegle marmelos (L.) Corrêa

落葉乾燥林に生えていたミカン科の植物。初見なので属すら皆目見当がつきませんでしたが、同行していたタイの人に名前を教わり、あっさり習得。

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Aegle marmelos (L.) Corrêa, Trans. Linn. Soc. London 5: 223 (1800).
Crateva marmelos L., Sp. Pl. 444 (1753).
Distribution: India, Laos, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Aegle_marmelos
落葉乾燥林に生えていたミカン科の植物。果実は10㎝弱。

Aegle_marmelos2
若い葉は食葉になるそうです。コンケンにいたとき食べたことあるような、ないような・・・。

2015年7月 8日 (水)

Diospyros variegata Kurz

当ブログ16種目となるDiospyros。やや乾燥する林でやや普通に生えているDiospyrosの一種。これまで生えているのは何度か見たことありましたが、今回ようやく果実を見ることができました。

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Diospyros variegata Kurz, J. Asiat. Soc. Bengal, Pt. 2, Nat. Hist. 40(2): 73 (1871).
Distribution: India, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Diospyros_variegata
葉は大形で長方型。

Diospyros_variegata2
葉裏。Diospyrosの中でも三次脈は割と見える部類。

Diospyros_variegata3
果実は黒褐色の毛に覆われていますが、こするとすぐに抜け落ちてしまうようです。

2015年7月 7日 (火)

Schizophragma integrifolium Oliv.

イワガラミ!と思ったものの、よくよく見たら、そこはかとなく違っていました。

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Schizophragma integrifolium Oliv.,  Hooker's Icon. Pl. 20: t. 1934 (1890).
Distribution: China, Vietnam.

Iwagarami
ガク片が細長く、全体的になんだか黄ばんでいる。

Iwagarami2
葉裏は真っ白。縁はほぼ全縁。

Iwgarami3
イワガラミの花を詳細に見たことがないけれど、何かが違っているは・・・ず?

2015年7月 6日 (月)

Symplocos chunii Merr.

Symplocosと言えばN先生がいらっしゃるので頼り切ってほとんど勉強する機会がありませんでした。これじゃいかんだろうと、これからでも少しずつ勉強していくことに。今からでも遅れを挽回できるは・・・ず。

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Symplocos chunii Merr., J. Arnold Arbor. 6(3): 138–139 (1925).
Distribution: China, Vietnam.

Symplocos_chunii
ベトナム中南部の山地でよく見かける種類。葉質は割と厚い。

Symplocos_chunii2
葉裏の網状脈がSymplocosの中では結構見える部類。

Symplocos_chunii3
果実は細長い。

2015年7月 5日 (日)

Nageia nagi (Thunb.) Kuntze

遠くから大きな果実が目に入り、葉が対生しているのでGariciniaだろう!、と安直に考えたものの、、、近くで枝を確認してびっくり。全然違っていました。

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Nageia nagi (Thunb.) Kuntze, Revis. Gen. Pl. 2: 798 (1891).
Myrica nagi Thunb., Murray, Syst. Veg., ed. 14, 884 (1784).
Distribution: China, Japan, Vietnam.

Nageia_nagi
日本でもお馴染みのナギそのもの。果実は大きい。

Nageia_nagi2
葉裏と果実。脈は平行脈。

ちなみに、私の故郷の山口県には国指定天然記念物のナギ自生北限地帯があります。興味のある方は是非おいでませ、山口へ。

2015年7月 4日 (土)

Homalium cochinchinense (Lour.) Druce

Flacourtiaceaeに分類されていた属の多くが、APG分類体系ではAchariaceaeとSalicaceaeに組み入れられました。

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Homalium cochinchinense (Lour.) Druce, Rep. Bot. Soc. Exch. Club Brit. Isles 4: 628 628 (1917).
Astranthus cochinchinensis Lour., Fl. Cochinch. 1: 222 (1790).
Distribution: Cambodia, China, Thailand, Vietnam.

Homalium_cochinchinensis
東南アジアでは標高800-1400m付近でポツポツと生えている。

Homalium_cochinchinensis2
葉裏。脈上には細かい毛が生えています。

Homalium_cochinchinensis3
花序。毛の多い様子はH. dasyanthum (Turcz.) W.Theob.に似ている。

2015年7月 3日 (金)

Ardisia gigantifolia Stapf

ベトナムで見つけた超大型のArdisia。かっけぇーー!、でけぇー!と興奮し、新種だったら gigantea とかgigangifolia といった名前しかないだろう!、と思って出会ったその日のうちにベトナムのArdisiaをチェックしてみたところ・・・生憎すでに記載されている種と判明。しかも想像通りの名前で。時代や国が違っても、みんな考えることは一緒ですね。

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Ardisia gigantifolia Stapf, Bull. Misc. Inform. Kew 1906: 74 (1906).
Distribution: China, Indonsia?, Malaysia?, Thailand, Vietnam.

Ardisia_gigantifolia
葉は50㎝以上。樹高は2m程度でしたが、大きな葉による自重のためか、横に倒れていました。

Ardisia_gigantifolia2
葉裏。葉はでっかいけれど、このなよなよした感じと辺縁の鋸歯はArdisia。葉は薄い。

Ardisia_gigantifolia4
花序は頂生、または腋生。花序も40㎝近くあります。

Ardisia_gigantifolia3
果実は小さく、マンリョウよりやや小型。ガクは果実にぴったりくっついています。



2015年7月 2日 (木)

Callicarpa nudiflora Vahl

今日もベトナムで見つけたCallicarpa。道路際の藪にたくさん生えていました。

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Callicarpa nudiflora Vahl, Bot. Beechey Voy. 206. 1836.
Distribution: Bangladesh, China, India, Malaysia, Myanmar, Singapore, Sri Lanka, Vietnam

Callicarpa_nudiflora
葉は20㎝以上と大形のCallicarpa。

Callicarpa_nudiflora2
この種もびっしりと毛がたくさん。

Callicarpa_nudiflora3
花のアップ。雄蕊と雌蕊が一段vと突き出しています。

2015年7月 1日 (水)

Callicarpa rubella Lindl.

Melastomataceaeの植物は同定が追い付かず、あえなくネタ切れとなってしまいました。お次はCallicarpaをいくつか紹介してみます。

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Callicarpa rubella Lindl., Bot. Reg. 11: t. 883 (1825).
Distribution: China, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Callicarpa_rubella
中国産のものとずいぶん雰囲気が異なるようですが、広域分布種の変異とみなせば、まあそううなづけなくもない。

Callicarpa_rubella2
茎にも葉にも花序にもびっしりと細かい毛が生えています。ちょっと分かりにくいですが、葉の基部はcordateで左右非対称。

Callicarpa_rubella3
雄蕊は4本。パッと見た感じではムラサキシキブと大して違いがなさそうですね。

Callicarpa_rubella4
若い果実。大きくなっても2mm程度のようです。

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