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2015年3月

2015年3月31日 (火)

Ixonanthes reticulata Jack

無事シンガポール、その後のボルネオから帰国しました。いやー暑かった。いくつかネタを仕入れてきたので、しばらくボルネオの植物を紹介していきましょう。

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Ixonanthes reticulata Jack, Malayan Misc. ii. (1822) VII. 51.
Distribution: Cambodia, China, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Ixonanthus_reticulatus
ボルネオのKerangasに生えていた植物。最初はEuphorbiaceae?と何かわかりませんでしたが、果実をつけている枝を見つけ、「おお、なるほど!」と納得。

この種は以前紹介しましたが、少し雰囲気が違うので改めて紹介。 実はカンボジアのものはIxonanthes cochinchinensis Pierreとして記載された種(タイプはおそらくベトナム)であり、掲載当時はI. reticulata (タイプはスマトラ)と同種、つまりSynonym扱いでいいのでは?と勝手に判断していました。が、ボルネオの個体を見ると、うーん、本当にいいのだろうか。。。Kerangasに生えていたからなのか、葉も大きく、下の写真のように脈も明瞭で・・・一緒にはしたくないレベル。いやはや、分類は非常に難しい。

Ixonanthus_reticulatus2
葉裏の脈。カンボジアで見つけた個体はこんなに明瞭には見えない。

Ixonanthus_reticulatus3
しかし果実の形やサイズは確かにそっくり。今後の課題がまたひとつ、です。

それにしても前回の記事に「これでIxonanthusを習得。次に出会ったらすぐに分かるは・・・ず。」と述べておきながらも今回は全然検討もつかず、あっさり敗北してしまいました。

2015年3月21日 (土)

Ilex polyneura (Hand.-Mazz.) S.Y. Hu

Ilex属の植物は東南アジアでは低地から高地までやや湿り気のあるところにポツポツと出現し、かなりやっかいな分類群のひとつ。Ilex属の植物とすぐには分かりますが、そこから種名を同定するのは苦難の道のりが待ち構えています。これは葉の形が特徴的で、運よく果実を得られてすぐに同定できた一種。

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Ilex polyneura (Hand.-Mazz.) S.Y. Hu, J. Arnold Arbor. 30(3): 263 (1949).
Ilex micrococca var. polyneura Hand.-Mazz., Symb. Sin. 7(3): 654 (1933).
Distribution: China, Laos, Thailand.

Ilex_polyneura
葉は葉柄が長く、葉身はovate-ellipticの形。

Ilex_polyneura2
葉裏。側脈は隆起し、くっきり見えます。

Ilex_polyneura3
花序のアップ。この花序はumbelliformですね。花序軸には毛が生えていました。

2015年3月20日 (金)

Vernonia arborea Buch.-Ham.

明日からボルネオに移動し、植物を探してきます。おそらく月末まで更新が途絶えてしまうことでしょう。ご勘弁ください。

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Vernonia arborea Buch.-Ham., Trans. Linn. Soc. London 14(2): 218 (1824).
Distribution: China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Nepal, Sri Lanka, Thailand, Vietnam.

Vernonia_arborea
高さ20mを軽く超える大木でした。広域に分布していてかなり変異がありますが、これはベトナムで見つけたもの。他の産地に比べて葉が少し細長い印象です。

Vernonia_arborea2
葉裏の様子。枝や葉裏にはうっすらと全面に微毛が生えています。

Vernonia_arborea3
花は確かにキク科そのもの。

2015年3月19日 (木)

Diospyros fleuryana A.Chev. ex Lecomte

東南アジアのDiospyrosもまだまだ分からないことだらけ。今日はシンガポールで、ようやくこれだ!と同定に確信を得ることができた、ベトナムのこの種を紹介しておきます。

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Diospyros fleuryana A.Chev. ex Lecomte, Fl. Indo-Chine [P.H. Lecomte et al.] 3: 948 (1930).
Distribution: Vietnam.

Diospyros_fleuryana
厳密に言うとおそらくvar. coriacea Lecomteだと思います。

Diospyros_fleuryana2
葉脈は細かく、網目状。乾燥すると三次脈まで浮き出てきます。

Diospyros_fleuryana3
芽が黒い毛に覆われる種類は限られていて重要な識別ポイント。

Diospyros_fleuryana4
落ちていた果実。結構ずっしり。ガクの一部にも黒い毛が残ります。

スリランカとバングラディッシュに分布するDiospyros albiflora Alston やマレーシア(半島部)に分布するDiospyros areolata King & Gambleによく似ており、もしかしたら同一種なんじゃ・・・と思っているものの、情報不足で分からないまま。現地で花などを見て、さらに詳細な比較検討が必要です。もっとあちこち出かけないと!

2015年3月18日 (水)

Medinilla septentrionalis (W.W.Sm.) H.L.Li

今週からシンガポールにやってきています。週末にはそのままボルネオへ。年度末までなかなか落ち着けない日々が続き、更新が止まりがちで申し訳ない限りです。

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Medinilla septentrionalis (W.W.Sm.) H.L.Li, J. Arnold Arbor. 25:. 38 (1944).
Oritrephes septentrionalis
W. W. Smith, J. Proc. Asiat. Soc. Bengal 7: 69 (1911).
Pseudodissochaeta septentrionalis (W. W. Smith) M. P. Nayar., J. Bombay Nat. Hist. Soc. lxv. 565 (1969).
Distribution: China, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Medinilla_septentrionalis
やや標高のある山地の明るい林縁に生える低木。

Medinilla_septentrionalis2
葉や茎が無毛で、緑色なのが特徴的。

Medinilla_septentrionalis3
横から見た花。雄蕊は8本あり、短いのと長いのが4本ずつ。

Medinilla_septentrionalis4
この果実は別の場所、別の時期に撮影したもの。果実に毛が生えています。黒く熟し、Melastomataceaeの中では珍しく液果をつける種類。そのため分類学的な位置がすっきりとしていないようで、今回はMedinilla属の植物として取り扱っていますが、将来的にはきっと別属の植物になってしまうでしょう、おそらく。

まさかMedinillaやPseudodissochaetaとして扱われていたとはつゆ知らず、探しても全然同定できないのでずっと新種だ!と思っていました。先月のタイでようやく名前が判明し、すっきりです。

2015年3月13日 (金)

Cnesmone javanica Blume

触るとDendrochnideを上回る激痛に見舞われるというCnesmone。怖くて結局触れませんでした・・・が、次回があればぜひチャレンジしてみたいものです。この手の毛をstinging hairs.と言ったりするらしいです。

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Cnesmone javanica Blume, Bijdr. Fl. Ned. Ind. 12: 630 (1826).
Distribution: India, Indonesia, Malaysia, Thailand, Vietnam?.

Cnesmone_javanica
林縁に生えていたツル植物。

Cnesmone_javanica2
葉裏と、節から伸びる花序の様子。

Cnesmone_javanica3
Crotonのように花序の下部は雌花で上部は雄花でした。

2015年3月12日 (木)

Greenea corymbosa (Jack) Voigt

花序がタコノアシっぽく思えてずっと見てみたかったこの植物、ついにタイ南部で出会うことができました!

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Greenea corymbosa (Jack) Voigt, Hort. Suburb. Calcutt. 385 (1845).
Distribution: Indonesia, Malaysia, Myanmar, Thailand.

Greenea_corymbosa
葉は想像していたよりずっと大きかったです。

Greenea_corymbosa3
枝はTarennaっぽい。托葉は長い。

Greenea_corymbosa4
果実や花序軸には毛がびっしり。ガク裂片は4つでした。

2015年3月11日 (水)

Schrebera swietenioides Roxb.

いつもは一人で悠々自適な仕事部屋。今日は来客もあって狭い部屋に男4人がひしめいていました。

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Schrebera swietenioides Roxb., Pl. Coromandel ii. 1. t. 101. (1799).
Distribution: Cambodia, India, Laos, Myanmar, Thailand.

Schrebera_swietenioides
東南アジアで複葉で対生と言えば・・・Bignoniaceae!と思って調べども調べどもこんな植物は見当たらず。やった新種だ!と思いきや、最終的にはOleaceaeのこの種に辿り着いてしまいました。まさかのOleaceaeだったとは (>_<)

Schrebera_swietenioides2
葉裏。細かい脈が見える。

Schrebera_swietenioides4
果実。今思えば確かに中身にはBignoniaceaeに特徴的な種子風散布種子が入っていないのでした。

2015年3月10日 (火)

Blastus borneensis Cogn. ex Boerl.

今日はひたすら仕分け作業。ようやく整理が終わり、明日からは少し自分のことができそうです。今週はあと3日間のみ、何をすべきか・・・。

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Blastus borneensis Cogn. ex Boerl., Handl. Fl. Ned. Ind. (Boerlage) 1: :531 (1890).
Distribution: Indonesia, Malaysia, Thailand.

Blastus_borneensis
昨日のMicorotropis bivalvisと一緒に、タイ南部の山にたくさん生えていたBlastus borneensis。ようやくBlastusの正体が分かった気がします。

Blastus_borneensis2
枝や葉裏の葉脈上にはびっしりと肌色の毛が生えています。

Blastus_borneensis3
雄蕊は4本で葯はピンク色。子房も毛で覆われています。

2015年3月 9日 (月)

Microtropis bivalvis (Jack) Wall.

出張(?)続きでなかなか落ち着いて更新できず。ようやく自宅に戻ってきて、今週の残りはずっと福岡にいる予定。その後はまた東南アジアに出かけることになっていますが、それまでの間、せめて少しでも東南アジアの植物を紹介しておきましょう。

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Microtropis bivalvis (Jack) Wall., Numer. List [Wallich] n. 4340 (1831).
Celastrus bivalvis Jack, Mal. Misc. 1, 5: 19 (1821).
Distribution: Indonesia (Sumatra), Malaysia (Peninsular), Myanmar, Thailand.

Microtropis_bivalvis
。やや湿り気のある山地林に多いMicrotropis。タイの半島部にはこんな長い花序を持つMicrotropisが生えていました。

Microtropis_bivalvis2
葉裏の側脈は明瞭。

Microtropis_bivalvis4
花のアップ。まだ葯は裂開しておらず、花弁も外に反り返っていない状態。

Microtropis_bivalvis3
果実の中には赤い種子がひとつ。モクレイシと一緒で、果皮が離脱して種子が花柄に残る様子はなかなか他の植物ではみられない特徴で、面白いですね。

2015年3月 4日 (水)

Callerya atropurpurea (Wall.) A. Schott

今日は大変残念なお知らせが・・・しくしく。

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Callerya atropurpurea (Wall.) A. Schott, Blumea 39(1–2): 15 (1994).
Distribution: Cambodia, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Callerya_atropurpurea
以前タイで果実を見たことがあり、今回のカンボジアでようやく花を拝めました。

Callerya_atropurpurea2
葉は無毛でテカテカ

Callerya_atropurpurea3
立派な花序にたくさんの紅紫色の花。甘~い香りがしました。

2015年3月 3日 (火)

Oxyspora stellulata King

属すら分からないものがたくさんあるMelastomataceae。今回のタイでいくつか勉強してきました。

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Oxyspora stellulata King, J. Asiat. Soc. Bengal, Pt. 2, Nat. Hist. 69(1): 9 (1900).
Distribution: Indonesia (Sumatra), Malaysia (Peninsula) Thailand (Peninsular).

Oxyspora_stellulata
Khao Luangにたくさん生えていたこの低木。現地では全く属すら分かりませんでしたが、色々調べてこの種に落ち着きました。

Oxyspora_stellulata2
葉裏。はしご状の三次脈が目立ちます。

Oxyspora_stellulata3
雄蕊は2型があり、葯が紫のもの(outer)と、黄色いもの(inner)。

2015年3月 2日 (月)

Polyalthia luensis Finet & Gagnep.

帰国してからもなかなか忙しい日々。3月中旬まで何かと色々やっつけましょう。

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Polyalthia luensis Finet & Gagnep., Bull. Soc. Bot. France 53(Mém. 4(2)): 94 (1906)
Distribution: Vietnam.

Polyalthia_luensis
若枝に褐色の柔らかい毛がびっしりと生えるやや小型で可愛らしいPolyalthia。低木なので庭木にも向いていそう。花を見てみたいものです。

Polyalthia_luensis2
葉裏。少しだけ青白い。

Polyalthia_luensis3
若い果実。葉だけの状態ではちょっと自信がありませんでしたが、その後に見つけた果実の形を見てPolyalthiaに落ち着きました。Annonaceaeは難しい。

2015年3月 1日 (日)

Leptonychia caudata Burret

カンボジアから帰国したものの、すぐに予定通りブラジル、タイ南部と連続で出かけ、ようやく帰国しました。今月15日頃までは国内にいる予定なので、久々に更新再開です。

今回のタイは待望の半島部。低地では見るものほとんどが初めての植物ばかりであり、色々と勉強になりました。

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Leptonychia caudata (Wall. ex G.Don) Burret, Notizbl. Bot. Gart. Berlin-Dahlem 9: 729 (1926).
Distribution: India, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Sri Lanka, Philippines, Thailand, Vietnam.

Leptonychia_caudata
現地では1-2mの低木で、標高800m付近の林床・林縁にごく普通に生えていました。

Leptonychia_caudata3
葉裏。葉柄の両端も膨る点や、葉脈がいかにもMalvaceaeっぽい。

Leptonychia_caudata2
雄蕊は10個ありあますが、その後ろにあるもしゃもしゃしたのは退化した不稔の雄蕊(sterile filaments)でしょうか?

Leptonychia_caudata4
果実はさく果(Capsule)。意外と硬い。

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