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2014年9月

2014年9月25日 (木)

Acilepis squarrosa D.Don

カンボジアの乾燥フタバガキ林にてキク科の草本をみつけました。熱帯はキク科は少なめですが、ポツポツとみることができます。

キク科の中でもVernoniae(ショウジョウハグマ族)の仲間は今年出版された以下の文献で分子系統を用いた結果を基に整理されています。タイトル通り、タイに自生する種類に関してですが、キク科は広域分布種も多く、カンボジアの種もあっさり同定できました。

Bunwong, S., Chantaranothai, P., & Keeley, S. C. (2014). Revisions and key to the Vernonieae (Compositae) of Thailand. PhytoKeys 37: 25-101.

論文のKew wordsは
Acilepis, Asteraceae, Camchaya, Cichorioideae, Cyanthillium, Decaneuropsis, Elephantopus, Ethulia, Gymnanthemum, Iodocephalopsis, Koyamasia, Kurziella, Monosis, Okia, Pseudelephantopus, Pulicarioidea, southeast Asia, Strobocalyx, Struchium, Tarlmounia
とありますが、キク科はまだまだ知らない属ばかり。

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Acilepis squarrosa D.Don, Prodr. Fl. Nepal.: 169 (1825).
Vernonia squarrosa (D.Don) Less., Linnaea 6: 627 (1831).
Distribution: Bhutan, Cambodia, China, India, Laos, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Acilepis_squarrosa
草丈は50㎝ほど。もう少し全体が分かる写真を撮るべきですね。

Acilepis_squarrosa2
葉柄がないの点と、

Acilepis_squarrosa3
100枚以上の総苞片があることがこの種の特徴とありました。

2014年9月24日 (水)

Waltheria indica L.

よく見かけるけれど、名前の知らない植物はたくさんあるものです。世界の熱帯地域に広く分布するWaltheria indica、この種も名前を知ることで、ようやくイメージから認識できる存在になりました。認識論、、、哲学はさっぱりなのですが、名前は大事です。

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Waltheria indica L., Sp. Pl. 2: 673 (1753).
Distribution: pantropical

Waltheria_indica
カンボジアの低地で、辺り一面に生えていました。乾季の終わり頃。

Waltheria_indica2
草のようでもありますが、一応低木扱い。感覚的にハイキンゴシカやモロヘイヤの近くと思ったらやっぱりMalvaceaeでした。

Waltheria_indica3
コバンバノキという和名もあるそうです。確かに葉は小判の形に近いです。確かに近いですね。

Waltheria_indica4
花は小さな花序にあり。茎や葉、花弁以外に生えているこういう毛をdensely puberulentと表現するそうです。毛の表現も難しい。

2014年9月23日 (火)

Argyreia osyrensis (Roth) Choisy

Argyreiaをもう1種。A. mekongensisのすぐ近くに生えていたA. osyrensis。東南アジアに広く分布しており、分かりやすい種類なのでインターネット上でも画像がたくさん出てきますね。

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Argereia osyrensis (Roth) Choisy, Prodr. [A. P. de Candolle] 9: 334 (1845).
Ipomoea osyrensis Roth, Nov. Pl. Sp. 117 (1821).
Distribution: Cambodia, China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Sri Lanka, Thailand, Vietnam.

Argyreia_osyrensis
民家近く、低地の藪に生えていたArgyreia。

Argyreia_osyrensis2
葉裏は真っ白になるほど柔らかい毛でびっしり覆われている。

Argyreia_osyrensis3
花は1㎝を超えるほどと、Argyreiaの中でもとても小さい部類。

2014年9月22日 (月)

Argyreia mekongensis Gagnep. & Courchet

先日のErycibeに続いてConvolvulaceaeの仲間をもうひとつ。東南アジアの低地からやや高地まで広く分布するArgyreia。広域分布種もあれば狭分布種もあり、生物地理を考察するとなかなか面白い対象だと思います。種数も140種程度と多くもなく少なくもなく、適度な量。何種か同定しているので折をみてアップしていきましょう。

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Argyreia mekongensis Gagnep. & Courchet, Notul. Syst. (Paris) 3: 134 (1915).
Distribution: Cambodia, Laos, Thailand, Vietnam.

Argyreia_mekongensis
乾燥フタバガキ林の環境に適応したArgyreia。カンボジアの低地にて。

Argyreia_mekongensis2
葉は細くて柄も短いですが、毛の雰囲気は確かにArgyreia。

Argyreia_mekongensis3
果実は発達した苞に包まれ、Argyreiaと気づいてからはすぐにこの種と同定できました。まだ花は見たことありません。この写真の果実は10月に見つけたものなので、花は7-8月頃でしょうか。

2014年9月21日 (日)

Xanthophyllum sylvestre S.Moore

Xanthophyllumはどの種も葉が単葉、互生、全縁、テカテカ、だいたい無毛(有毛のものも存在)、とクスノキ科に並んで葉だけでは同定が難しい分類群のひとつ。ただ、葉のサイズと形は種間でバリエーションがあるので、クスノキ科よりは楽かも?

なかなか花や果実を見ないのですが、タイで運よく果実つきの種を見つけたので、以下の種に同定してみました。正解しているかなぁ。

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Xanthophyllum sylvestre S.Moore, J. Bot. 63: 255 (1925).
Distribution: Laos, Thailand, Vietnam.

Xanthophyllum_sylvestre  
花序は割と長く、直径4㎝ほどのやや大きな果実をつけるのがこの種の特徴。X. laoticum Gagnep.をシノニムとする見解もあります。

Xanthophyllum_sylvestre2
葉質は比較的薄い。葉裏は主脈と側脈が隆起し、細かい三次脈もわずかに隆起。標本ではどれも目立ちます。

2014年9月20日 (土)

Alangium ridleyi King

ウリノキはウリノキ科(Alangiaceae)と覚えていましたが、APGIIIではミズキ科(Cornaceae)に含まれています。そして日本で見られるウリノキもモミジウリノキも落葉性のため、北の植物だろうと思っていたのですが、、、世界的にみるとアフリカからオーストラリアまでかけて広く分布しており、常緑性の種も多く、しかもつる性のものまで(A. scandens)、ことごとく認識を改めねばなりませんでした。

Alangium属は約25種からなるそうです。

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Alangium ridleyi King, J. Asiat. Soc. Bengal, Pt. 2, Nat. Hist. 71: 78 (1902).
Distribution: Indonesia, Malaysia, Thailand, Vietnam.

Alangium_ridley
タイで見たものは葉っぱはやや小さめ。比較的標高の高い山地でぽつぽつと見られます。

Alangium_ridley2
側脈は裏面に浮き出て、三次脈はうっすら見える程度(若い葉ではやや目立つ)。

Alangium_ridley3
果実の柄は短い。果実は乾かすと真っ黒になり、表面のブツブツ模様は標本ではぱっと見ほとんど目立ちません。

2014年9月19日 (金)

Hibiscus macrophyllus Roxb. ex Hornem.

インドから中国にかけて、南はマレー半島まで広く分布しているHibiscusの一種。やや湿り気のある低地ー標高400mの森によく見られます。

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Hibiscus macrophyllus Roxb. ex Hornem., Hort. Bot. Hafn. Suppl. 149 Suppl. 149 (1819).
Distribution: Cambodia, China, India, Laos, Malaysia (Peninsula), Myanmar, Thailand, Vietnam.

Hibiscus_macrophyllus
名前の通り、葉は大きく30㎝ほど。

Hibiscus_macrophyllus2
葉裏の脈は隆起し、全面に毛がびっしり。

Hibiscus_macrophyllus3
落ちていた花。確かにHibiscus。

Hibiscus_macrophyllus4
花柄やガクにも粗い毛が生えています。

2014年9月18日 (木)

Pternandra azurea (DC.) Burkill

先週は何かと忙しく、更新が遅れがちになってしまい申し訳ありませんでした。今日は久々の休日、遅れを取り戻しておきましょう!

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Pternandra cf. azurea (DC.) Burkill, Bull. Misc. Inform. Kew 1935: 319 (1825).
Kibessia azurea DC., Prodr. [A. P. de Candolle] 3: 196. (1828).
Distribution: Indonesia (Java, Kalimantan, Sumatra), Malaysia (Borneo).

Pternandra_azurea
スマトラ島の標高1500m付近の森でガクが特徴的なPternandraを見つけ、ひとまずこの種にしておきます。

Pternandra_azurea2
葉裏の脈はよく見えます。いかにもMelastomataceaeっぽい形と脈をしています。

Pternandra_azurea3
花のアップ。うーん、本当にP. azureaだろうか。見れば見るほど違う種の気がしてきますね・・・今後、何か分かれば追記しましょう。

2014年9月17日 (水)

Roureopsis actipetala ssp. borneensis (Schell.) Leenh

ベトナムで見つけたConnaraceae。果実がよく目立ち、調べたらこの種にいきつきました。正体が未だにはっきりしていないようで、分布域も飛んで隔離的に分布していることになっています。まだ他の地域で見つかっていないだけなのかもしれませんが、たまにはこういう分布の種もあってもいいのでは。

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Roureopsis actipetala ssp. borneensis (Schell.) Leenh, l. c.
Distribution: Malaysia (Borneo), Vietnam.

Roureopsis_actipetala
暗い森の中でひときわ目立つ果実の色。

Roureopsis_actipetala2
葉の基部はcordate。

Roureopsis_actipetala3
果実は微毛で覆われています。

2014年9月16日 (火)

Eberhardtia krempfii Lecomte

Sapotaceaeは枝や葉を折ると出てくる乳液と新芽にある褐色の毛ですぐにそれと分かりやすいものの、そこから先の属や種となるとナニガナンダカ、まだ全然把握できていません。
ベトナムで見つけた特徴あるこちらのSapotaceaeの一種、調べていくとこのEberhardtia属にたどり着きました。

Eberhardtia属はベトナム~ラオス~中国にかけて分布する次の3種のみから構成されているそうです。
Eberhardtia aurata (Pierre ex Dubard) Lecomte 
Eberhardtia krempfii Lecomte
Eberhardtia tonkinensis Lecomte

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Eberhardtia krempfii Lecomte, Bull. Mus. Natl. Hist. Nat. 26: 348 (1920).
Distribution: Vietnam.

Eberhardtia_krempfii
道路際の明るい林縁部にたくさん生えていました。

Eberhardtia_krempfii2
葉裏。細かい毛にびっしりと覆われ、銀色っぽく見えます。

Eberhardtia_krempfii3_2
果実。種子は5つ入っているのがこの属の特徴のひとつだそうで、現地で確認してみればよかったです。次回の宿題ということで。

2014年9月15日 (月)

Ploiarium alternifolium (Vahl) Melch.

日本には自生していないBonnetiaceaeは35-40種からなり、分布の中心は熱帯アメリカ。東南アジアには唯一、Ploiarium alternifoliumが貧栄養な湿地や砂地海岸などで見ることができます。

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Ploiarium alternifolium (Vahl) Melch., Nat. Pflanzenfam. (ed. 2) 21: 151 (1925)
Hypericum alternifolium Vahl, Symb. Bot. 2: 85, t. 42 85 (1791).
Distribution: Cambodia, Indonesia, Malaysia, Singapore, Thailand, Vietnam.

Ploiarium_alternifolium
Bonnetiaceaeは系統的にはClusiaceaeにもっとも近縁だそうです。花も果実も全然違い、意外や意外。

Ploiarium_alternifolium2
葉裏はのっぺり。

Ploiarium_alternifolium3
柱頭は果実期にも残り、基部から裂開するという不思議な形をしています。

2014年9月14日 (日)

Turpinia montana (Blume) Kurz

日本でTurpiniaと言えば暖かいところに生えているショウベンノキ(Turpinia ternata Nakai)。この属は約30-40種からなり、東南アジアには十数種類自生しているようです。

属名は1800年代に活躍したフランスのBotanistにしてIllustratorのPierre Jean François Turpin氏に献名されたもの。

ミカン科のTetradiumなど紛らわしいものもありますが、鋸歯のある奇数羽状複葉が対生していればまずはこの属を疑ってみましょう。

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Turpinia montana (Blume) Kurz, J. Asiat. Soc. Bengal, Pt. 2, Nat. Hist. 46(2): 182 (1875).
Zanthoxylum montanum Blume, Bijdr. Fl. Ned. Ind.: 248 (1825)
Distribution: China, India, Indonesia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Turpinia_montana
小さな花をたくさんつけていました。

Turpinia_montana2
葉は他のTurpiniaに比べると小型で、葉裏の三次脈が細かく見えます。

Turpinia_montana3
果実、枝についたまま炸裂していました。

2014年9月13日 (土)

Helixanthera pulchra (DC.) Danser

Loranthaceaeの和名はヤドリギ科と思いきや、実はオオバヤドリギ科、またマツグミ科。
オオバヤドリギ属(Scurrula)にちなむか、マツグミ属(Taxillus)にちなむか、、、考えれば考えるほど何だか難しそうなので両方覚えつつ、やはりLoranthaceaeを使うのがいいですね。
ヤドリギ属(Viscum)が含まれていたヤドリギ科(Viscaceae)はAPGIIIではビャクダン科(Santalaceae)に編入されています。

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Helixanthera pulchra (DC.) Danser, Bull. Jard. Bot. Buitenzorg III, 10: 318 (1929).
Loranthus pulcher DC., Prodr. [A. P. de Candolle] 4: 295. 1830 [late Sep 1830]
Distribution: Cambodia, China, Indonesia, Malaysia, Thailand.

Helixanthera_pulchra
葉は厚くて大型。 美しい、高貴な、すばらしい」といった意味の種小名通り、私が知っているHelixanthera属の中では端正なお姿。

Helixanthera_pulchra2
葉裏は脈が不明瞭で、いかにもLoranthaceaeという印象。

Helixanthera_pulchra3
花は赤色。見つけた個体は開花が終わった状態で、柱頭が残った花とその柱頭も脱落した花がありました。

2014年9月12日 (金)

Melia azedarach L.

本州以西に生え、福岡では低地の川岸や道路沿いのアスファルトの隙間からも生えているほどたくましいセンダン、実は東南アジア一帯に広く分布しています。タイで何度か出会ったことがありますが、さすがに低地は暑すぎるのか、どこも山間部の沢に近い林縁部でした。

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Melia azedarach L., Sp. Pl. 1: 384 (1753).
Distribution: Australia, Bhutan, China, Japan, India, Indonesia, Laos, Nepal, Papua New Guinea, Philippines, Sri Lanka, Thailand, Vietnam.

Melia_azedarach
立派な羽状複葉。

Melia_azedarach2
葉裏。日本のものよりやや小型な気がしました。

Melia_azedarach3
花は東南アジアでまだ見たことありませんが、果実はやっぱりセンダンそのもの。

2014年9月11日 (木)

Tridynamia megalantha (Merr.) Staples

週の後半は色々と用事がた立て込んでしまい、日々の更新が遅れてしまいました。色々ありましたがこれで一段落することにいたしましょう。

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Tridynamia megalantha (Merr.) Staples, Novon 3 (2): 201 (1993).
Distribution: China, India, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Tridynamia_megalantha2
明るい伐開地に生えていました。

Tridynamia_megalantha
葉裏。毛は生えているけれど、いかにもConvolvulaceaeっぽい葉と脈。

Tridynamia_megalantha3
花序は黄褐色の毛で覆われ、ガクが花後も大きく伸長する点がこの仲間の特徴。

2014年9月10日 (水)

Diospyros pendula Hasselt. ex Hassk.

東南アジアでは種類も多いカキノキ属。カンボジアのとある山では12種類も生えていました。なかなか果実を得ることができないので同定が思うようにできないのですが、悔しさ満点でどうしても興味が湧いてきます。

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Diospyros pendula Hasselt. ex Hassk., Pl. Jav. Rar. 468 (1848).
Distribution:  Indonesia, Myanmar, Malaysia, Thailand.

Diospyros_pendula
うーん、この写真ではカキとは分からないですね。単葉、鋸歯なし、雰囲気的にAnnonaceaではない、Lauraceaeでもない、樹肌が黒っぽい、というところからカキを想定します。

Diospyros_pendula2
葉裏、脈はうっすらと見えますが、浮き出ることなくのぺっっとしています。

Diospyros_pendula3
3年がかりで運よく出会った果実。

Diospyros_pendula4
乾燥した葉の表面は灰緑色で光沢があり、Diospyrosの中でもすぐに同定できる種のひとつ。

2014年9月 9日 (火)

Erycibe elliptilimba Merr. & Chun

実生をLauraceaeとよく間違えてしまったErycibe属の一種。若枝に稜が出たり、灰色がかかった筋が入るところを覚えれば、もう騙されません。

3枚目の花は12月、果実は10月にそれぞれ別の場所で見つけた別個体撮影したものです。

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Erycibe elliptilimba Merr. & Chun, Sunyatsenia 2(1): 45 (1934).
Distribution: Cambodia, China (type-Liang H.Y. 61534, Po-ting to Seven Finger Mountain, Lingshui, Hainan, alt. 548.6 m, 23 April 1932, NYBG), Laos, Thailand, Vietnam.

Erycibe_elliptilimba
Convolvulaceaeの木本つる植物。日本にはホルトカズラ(E. henryi Prain)が分布しています。

Erycibe_elliptilimba2
葉裏の脈はうっすら。

Erycibe_elliptilimba3
花は1㎝ほどと大きくありませんが、なかなか可愛らしく、芳香もあります。

Erycibe_elliptilimba4
果実の横断面。

2014年9月 8日 (月)

Coelospermum truncatum (Wall.) Baill. ex K.Schum.

東南アジアでは種数はおそらく五指に入るアカネ科のグループ。低木から高木、そしてつるになったりと多様に分化しています。こちらは約10種からなるCoelospermum属の1種。木本つる植物です。

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Coelospermum truncatum (Wall.) Baill. ex K.Schum., Nat. Pflanzenfam. 4(4): 136 (1891)
Distribution: Cambodia, Thailand, Vietnam.

Coelospermum_truncatum
ひとつの花をよくよく見てみれば確かにRubiaceae。

Coelospermum_truncatum3
写真の個体は日当たりの良い林縁で見つけたつるの上部のもの。林内に生えているときはもう少し幅広の葉をしています。

Coelospermum_truncatum2
葉裏の三次脈は割とよく見える。托葉がすぐに落ちるため、幼いときはアカネ科と気づかないことも多々ありました。難しい。

2014年9月 7日 (日)

Helicia elephanti Sleumer

文献と標本で「Helicia elephanti」という植物がカンボジアのElephant mountainで記録されていると知り、ずっと探していたところ、、、何度目かの調査でついに発見!

渓流環境に適応して葉が細長い! しかも花つき!と初めてHeliciaの花を見たこともあって、大喜びの一日でした。

Poilaneが1919年に得た標本を基にSleumer が1955年に記載した植物で、elephantiはカンボジア南部のElephant mountainで見つかったことにちなんでつけられたもの(だと思われます)。

花の咲いている上3枚の写真は7月、一番下の果実の写真は12月に撮影したもの。それぞれ同じ河川沿いの別個体です。

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Helicia elephanti Sleumer, Blumea 8: 39 (1955).
Distribution: Cambodia.

Helicia_elephantii
この個体は河川から少し離れた崖に生えていた株。枝は堅く、かつしなやか、そして葉は細長い、といった渓流沿い植物の特徴を備えています。

Helicia_elephantii2
若枝には稜が出ます。

Helicia_elephantii3
Heliciaと言えばこの突き出た柱頭。花弁もぐるぐる巻きになっていて面白いですね。

Helicia_elephantii4
果実はブルーベリー色。柄は花後に伸長するようです。

2014年9月 6日 (土)

Walsura robusta Roxb.

東南アジアで見かける代表的なWalsuraは2種あり、W. pinnataとW. robusta。昨日のW. pinnataに続いてもう1種のW. robustaも掲載しておきます。

昨日のW. pinnataのすぐ横に生えていた木ですが、こちらの種の方がやや乾燥したところで多く見ることができます。

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Walsura robusta Roxb., Fl. Ind. ed. 1832 2: 386 (1832).
Distribution: Cambodia, China, Bangladesh, Bhutan, India, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Walsura_robusta
葉は2対。W. pinnataより小型で葉柄が細い。

Walsura_robusta2_2
葉裏の三次脈が著しく細かく、この脈と小葉柄の両端の膨らみがあればこの種とすぐに識別できます。

Walsura_robusta3
花序はW. pinnataに比べて小さく、果実数も少ないようです。

2014年9月 5日 (金)

Walsura pinnata Hassk.

Meliaceaeにも小葉の柄の両端が膨れる種類がいくつかあります。

葉柄の両端が膨れている様子を英語では"Petioles (are) swollen at both ends."と表現したりします。このWalsura pinnataの場合は小葉柄が膨れているので、"Petiolules swollen at both ends."となる訳ですね、きっと。

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Walsura pinnata Hassk., Retzia 1: 147 (1855).
Distribution: Cambodia, China, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Walsura_pinnata2  
小葉はだいたい2対。分布域が広く、1-5対のものまで変異があるようです。

Walsura_pinnata4
葉裏はやや白っぽく(下の写真の方が分かりやすい)、葉脈が細かいところまでよく見えます。

Walsura_pinnata3
果実は黄色。美味しそう。

2014年9月 4日 (木)

Chionanthus ramiflorus Roxb.

OleaceaeはOleaとChionanthusの関係がかなり混沌としていて、分類がすっきりしていません。未だに分からないのもたくさん・・・。その中で、広域かつやや普通に生えているこのChionanthusはたぶんこの種でOKでしょう。

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Chionanthus ramiflorus Roxb., Hort. Bengal. 3 (1814);
Distribution: Australia, Cambodia, China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Moluccas, Myanmar, Nepal, New Guinea, Philippines, Thailand, Vietnam.

Chionanthus_ramiflorus
幼木のときは葉がもっと幅広く、林縁、林内の光環境でも葉の形が大きく変異します。それらが同種と分かるようになるまで、ずいぶん時間がかかりました。

Chionanthus_ramiflorus2
表裏面とも葉質は他のOleaceaeに比べ、柔らかい感じがします。

Chionanthus_ramiflorus3
初めてみた果実。次は花を見て見たいものです。

2014年9月 3日 (水)

Aglaia macrocarpa (Miq.) Pannell

ベトナムで直径7㎝ほどの大きな果実をつけるAglaiaを発見。調べてみると、名前からしてすぐにこの種類であると分かってしまいました。本当にインドネシアやマレーシアのものと同一種なのかはまだ判断できませんが、今の時点ではAglaiaのモノグラフ(Pannell, 1992)の見解に従っておきましょう。387ページにも及ぶ東南アジアのAglaiaを網羅したこの本があれば、Aglaiaは何でも解決!

C.M. Pannell. 1992. A Taxonomic Monograph of the Genus Aglaia (Meliaceae). Royal Botanic Gardens Kew, London

といきたいところですが、このモノグラフでは「種」の概念がとても幅広く捉えられており、「シノニムに落とされているこの種とこの種は明らかに別種だろう!」というのがいくつもあって、注意が必要です。信じられるのはタイプ標本と自分だけ・・・そして益々分からない混沌としたAglaiaの深みに陥っていくのでした・・・。

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Aglaia macrocarpa
(Miq.) Pannell, Kew Bull., Addit. Ser. 16: 65 (1992).
Epicharis macrocarpa Miq., Fl. Ned. Ind., Eerste Bijv. 505 (1861).
Distribution: Indonesia, Malaysia, Philippines, Vietnam.

Aglaia_macrocarpa
果実は7㎝程。7月が果実期のようで、道路沿いからたわわに実った木を至る所で見ることができました。自生地の標高は1000-1500m付近。

Aglaia_macrocarpa4
小葉は7-9対。結構変異があります。

Aglaia_macrocarpa2
葉裏。印象としてはAglaia sylvestrisをちょっと幅広にした感じ。

Aglaia_macrocarpa3
枝先にはAglaiaの特徴である星状毛がびっしり。

2014年9月 2日 (火)

Huodendron tomentosum Y.C. Tang & S.M. Hwang

ベトナムで見つけた謎の植物。知っている植物の中で一番近いのはチシャノキ・・・の仲間?と予想しましたが、結果はあえなく大外れ。本日ようやくこの種に たどりつきました。エゴノキ科のHuodendron属なんて初耳です。しかしまあ、よくよく見れば花序も星状毛も、たしかにエゴノキ科っぽく見えてくる ものです。

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Huodendron tomentosum Y.C. Tang & S.M. Hwang, Acta Phytotax. Sin. 18(2): 164–165, pl. 4 (1980).
Distribution: China, Vietnam.

Huodendron_tomentosum
花序がない状態だったら何と表現してよいやら。

Huodendron_tomentosum2
葉裏全体が星状毛に覆われ、横にたくさん走る三次脈が本種の特徴。

Huodendron_tomentosum3
こちらは果実のように見えますが、実はつぼみの状態。ガクも花弁の外側も星状毛で覆われています。エゴノキと違って花が小さく、地味そうなところが何だかイイですね。

2014年9月 1日 (月)

Canarium littorale f. purpurascens (Benn.) Leenh

Burseraceaeの小葉の柄も両端が太くなっています。いつも花も実もない葉っぱだけの状態しか見たことなくて、その都度悩まされてきたCanarium。先日のベトナムで果実がなっている木を発見。果実があれば同定できそう!とずっと気になっていましたが、今日ようやく色々な条件がそろい、さくっと同定することができました。

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Canarium littorale f. purpurascens (Benn.) Leenh., Blumea 9: 339 (1959).
Distribution:  India, Myanmar, Indonesia?, Malaysia, Vietnam.

Canarium_littorale4
遠くから「何やら目立つ果実をつけているものがある!」と容易に目に飛び込んできたものの、実際に枝を手にするまでCanariumであることに全然気づきませんでした。そうか、こんな風に実っているのですか。。。

Canarium_littorale
枝の様子。葉っぱも枝も果実もなかなかどうしてごっついですな。

Canarium_littorale2
葉裏はやや青白く、葉裏の脈ははしご状の脈が目立ちつつも、細かく見ると網状脈になっています。

Canarium_littorale3
果実は約5㎝と大きく、ずっしり。重かった。

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