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2014年8月

2014年8月31日 (日)

Reevesia pubescens Mast.

R. yersiniiを見つけた場所で別の種類のReevesiaを見つけました。これはすでに果実になっていて、R. yersiniiとは開花期が異なる模様。あの可憐な花からは全く想像できない、ずんぐりした果実でびっくりでした。

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Reevesia pubescens Mast.,Fl. Brit. India 1(2): 364 (1874).
Distribution: Bhutan, India, Laos, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Reevesia_pubescens
日差しと風当たりのつよい道路際に生えていたので、葉がかなりいじれてしまっていました。写真中央の白い部分が見える果実は私がはさみで切ったもの。

Reevesia_pubescens2
種小名の通り、葉裏や果実の表面には毛がびっしり、です。

2014年8月30日 (土)

Reevesia yersinii A.Chev. ex Tardieu

Malvaceaeの一員も葉柄の両端が膨れています。こちらはReevesia。以前から見てみたい植物として属名を憶えていたので、野外で見つけてすぐにこのグループと分かりました。花がなかったら相当悩んでいたかも。

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Reevesia yersinii A.Chev. ex Tardieu, Notul. Syst. (Paris) 10: 237 (1942).
Distribution: Vietnam.

Reevesia_yersinii
とても良い芳香がしました(なんだか記憶があやふやになってきましたが、おそらくあったはず!)。なかなか清楚な感じです。

Reevesia_yersinii3
枝先と葉裏が銀色の毛にびっしり覆われているのが本種の特徴。雌蕊が突き出し、花弁は5枚ほどあります。

2014年8月29日 (金)

Stixis suaveolens (Roxb.) Pierre

葉柄の両端が膨れる植物で思い出しました。カンボジアの森でこの特徴を持つ見慣れぬつる性植物に出会い、調べたところStixisという聞いたこともない知らない属の植物に到達しました。Capparaceaeにこんな属があったとは。

花はまだ見たことありませんが、Capparaceaeなので雄蕊や雌蕊が突き出した派手な花を勝手に想像しています。

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Stixis suaveolens (Roxb.) Pierre, Bull. Mens. Soc. Linn. Paris 1: 654 1887.
Distribution: Bangladesh, Bhutan, Cambodia, China, India, Laos, Myanmar, Nepal, Thailand, Vietnam.

Stixis_suaveolens
これはベトナムで見かけたもの。広域に分布しており、常緑樹林の林縁に散発的に見られます。

Stixis_suaveolens2
葉裏。枝には若い時は有毛。葉裏の脈は隆起して目立ちます。

2014年8月28日 (木)

Elaeocarpus dubius DC.

先日、久々に近場の山に行ってきました。サイヨウシャジンやハギの花が咲き始め、もうすっかり秋の入り口。今年の夏は雨曇りの日が多く、気温も高い日が少なかったようにお思います。過ごしやすかった反面、これから収穫期を迎える農作物の出来が心配。祖父母の家で育てている稲はどうかなぁ。

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Elaeocarpus dubius DC., Bull. Herb. Boissier II, 3: 366 (1903).
Distribution: Cambodia, China, Vietnam.

Elaeocarpus_dubius
葉身が8㎝程度の小型のElaeocarpus。Local に abandantで、あるところには道路際にもたくさん生えています。

Elaeocarpus_dubius2
葉裏。日本のホルトノキを繊細にして縮めた感じ。

Elaeocarpus_dubius4
花序は短めで数個の花がついています。

Elaeocarpus_dubius5
果実はやっぱりElaeocarpus。

2014年8月27日 (水)

Elaeocarpus thorelii Pierre

Elaeocarpaceaeは私が好きとしている分類群のひとつ。東南アジアでは低地の乾燥林から高い標高域の雲霧林までどこでも見ることのでき、森林の重要な構成要素となっています。しかし未だに分類がすっきりしておらず、まだまだ議論の余地がある模様。各地で分化している種も多く、この種もかなりローカルな固有種のひとつでしょう。

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Elaeocarpus thorelii Pierre, Fl. Forest. Cochinch.: t. 145 (1888).
Distribution: Cambodia.

Elaeocarpus_thoerlii
葉は大形で生育時から葉がrecurvedな点が特徴的。葉を綺麗に伸ばした美しい標本にするのは至難の業。というか無理です。まあ逆にそれが特徴的で、花や果実に頼らなくてもすぐに同定できたのですが。

Elaeocarpus_thorelii2
枝や葉裏は細かい毛で覆われています。

Elaeocarpus_thoerlii3
葉柄の端それぞれにコブがあるのがElaeocarpusの特徴のひとつ。他にもAporosaやEllipanthus、Sterculiaなどいくつかの分類群でこうした形質が発達しています。

2014年8月26日 (火)

Timonius corneri Wong

カンボジアのTimonius、ひとまずこの名前にあてておきますが、もう少し丁寧に調べた方がいいかも。

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Timonius corneri Wong, Kew Bull. 43: 500 (1988).
Distribution: Cambodia, Malaysia, Singapore, Thailand.

Timonius_corneri
アカネ科なので葉は対生。そして薄っぺらい紙質のすらっとした葉があればTimoniusです。

Timonius_corneri2
葉裏の様子。葉のサイズは20㎝を超える大きいものから8㎝ほどと小さいものまで生育環境によって大きく変異がありました。

Timonius_corneri3
短い花序を葉腋から出し、黄色い花を咲かせます。

Timonius_corneri4
ちょっとピンボケですが、果実は花序あたりだいたい1-3つ。こじんまりしてなかなか可愛い。

2014年8月25日 (月)

Syzygium claviflorum (Roxb.) Wall. ex A.M.Cowan & Cowan

東南アジアではどこに行っても何かしらの種類を見ることができるSyzygium。その多様性所以に同定がかなりやっかいな分類群でもあります。

頑張って向き合っていると何事も慣れというもので少しずつ分かるようになってくるもの! と、前向きに考え、片っ端から色々調べていますが、それを凌駕するスピードで次から次へと出会うSyzygiumの多さに貯金がたまっていく一方。延々と悩まされ続けています。

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Syzygium claviflorum (Roxb.) Wall. ex A.M.Cowan & Cowan, Trees N. Bengal 67 (1929).
Eugenia claviflora Roxb, Fl. Ind. ed. 1832 2: 488 (1832).
Distributoin:Australia, Bhutan, Cambodia, China, India, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Papua New Guinea, Thailand, Vietnam.

Syzygium_claviflorum1
葉っぱだけの同定で自信がありませんでしたが、ようやく花を見ることができました。正解でよかった。

Syzygium_claviflorum2
S. claviflorumは葉の形、質感共に、すこぶる変異がある種です。広域分布していて、多型的なので、ここでは記していませんが、たくさんのシノニムが存在しています。

Syzygium_claviflorum3
何といってもこの長いHypanthium が本種の特徴。想像していたよりずっと芳香がありました。

2014年8月24日 (日)

Canthium filipendulum Pierre ex Pit.

ベトナムの森で見慣れぬCanthiumを発見。これは新種かも!?と思って調べたらちゃんと90年前に記載されている種でした。いやはや、昔の人は本当に良く採り、きちんと発表までしていて、その知識と努力量に頭が下がるばかりです。

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Canthium filipendulum Pierre ex Pit., Fl. Indo-Chine [P.H. Lecomte et al.] 3: 296 (1924).
Distribution: Vietnam.

Canthium_filipendulum1
葉は柔らかく、私が出会ったCanthiumの中で高貴な印象を漂わせる一番の美麗種。

Canthium_filipendulum2
対生するトゲが出て、葉裏のこの脈の雰囲気はやっぱりCanthium。

Canthium_filipendulum
実はCanthiumの花をまともに見たのはこのときが初めて。この種はガクが著しく反り返っていますが、すべてがこのような形状の花をつける訳ではなようです。

2014年8月23日 (土)

Grewia annamica Gagnep.

長時間移動の小休憩で立ち寄ったベトナム荒野に、小型の見慣れぬGrewiaが生えていました。おお、見たことない!と思わず手が出てしまったこの種ですが、この仲間の中では比較的特徴的なので種だったのですぐに同定できました。Grewiaとして記載されていますが、これはMicrocosなのでいずれ属名を組み替えた方が良いでしょう。

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Grewia annamica Gagnep., Bull. Soc. Bot. France 90: 69 (1943).
Distribution: Vietnam.

Microcos_annamensis
葉は小型で約8㎝ほど(だったと思う)。乾燥地に生えているためか、葉はかなりしわしわに。

Microcos_annamensis2
葉裏は真っ白で毛に覆われていました。

2014年8月22日 (金)

Fagraea auriculata Jack

Loganiaceae、私の近場ではホウライカズラを見かけるのみで、日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、アイナエなどの草本からFagraeaのような木本まで、多様に分化していてなかなか面白そうな分類群であります。

属名は18世紀のスウェーデンのnaturalist、J. Fagraeus氏に献名されたもの。Fagraea属は約70種からなり、そのうちインドシナに分布しているのは数種類ほどしかありません。

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Fagraea auriculata Jack, Malayan Misc. 2 (7): 82 (1822).
Distribution: Cambodia, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Fagraea_auriculata
葉が大きく、新枝もやや角ばってかなり特徴的なFagraea。低地の沢沿いから標高1000mあたりまで、やや湿り気の多い森に生えています。

Fagraea_auriculata2
葉裏はのっぺり。まあFagraeaだし。

Fagraea_auriculata3
果実は頂生で長さ5-7(-10) ㎝。植物体に似て大型です。

2014年8月21日 (木)

Vitex ajugiflora Dop tion

Vitex、東南アジアでは大群落をつくったりはしませんが、広く普通に見られる分類群のひとつ。広域分布する種もあれば、ローカルに分化した種もあり、生物地理や系統関係を調べていくと面白そう。どちらかというと広域分布種が多いでしょうか。

木になるシソ科があったんだ!と東南アジアに植物を見るために通い始めた頃は感激したものでしたが、日本にもよくよく考えると同属のハマゴウやセイヨウニンジンボクが生えていたのでした。でも同じ木質化はするといっても、やはり数mの木となると別格に見えてしまいます。熱帯すごい!

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Vitex ajugiflora Dop, Bull. Soc. Hist. Nat. Toulouse 57: 202 (1928).
Distribution: Vietnam (endemic?).

Vitex_ajugiflora_dop
この種の名前はキランソウ属の花に似ていることにちなんでいるっぽいのですが、肝心の花はまだ見たことないので、うーん。何とも。そもそもVitexってだいたいキランソウに似ているのでは・・・。

Vitex_ajugiflora2
脈の様子。小葉は5つ。側脈はうっすらと隆起しています。葉質は薄く、すっきりした印象。河川の中流の川岸に生えていました。

Vitex_ajugiflora3
果実はよくあるVitexの果実。小さなナスビみたい。

2014年8月20日 (水)

Ventilago leiocarpa Benth.

Ventilagoも各地で割と普通に見かけるけれど、花も果実も実物を見たことなかった植物のひとつ。念願叶ってついに果実を見つけました!こんな果実の付き方をするのか。

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Ventilago leiocarpa Benth., J. Proc. Linn. Soc., Bot. 5: 77 (1861).
Distribution: China, India, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Ventilago_leiocarpa
なかなかすらっとした果実でかっこいい。Ventilagoの仲間は葉はどれもよく似ていてまだ分類がすっきりしていないグループのひとつ。変異を広くとって種数が減るか、細かな識別店が見出されてたくさんの種が残るか、私はまだ経験値が足りずに予測もできません。

Ventilago_leiocarpa2
側脈は7-8対ほど、そして何より葉縁の鋸歯と水平に走る三次脈が特徴的。

Ventilago_leiocarpa3
果実は風によって飛ばされるよう、翼が発達したsamara。5㎝程と、ずいぶん伸びていますが、小さな花からいったいどこの部分がこんなにも伸びてくるのか・・・今度は花と発達段階の果実を発見し、観察してみたいものです。うーむ、世の中不思議なことだらけ。

2014年8月19日 (火)

Barringtonia pauciflora King

サガリバナの仲間、日本では海岸に生える サガリバナ Barringtonia racemosa (L.) Spreng.が有名ですが、熱帯では乾燥地から標高の高い森の中まで、多様に分化して分布を広げています。葉が輪生し、細かい鋸歯があれば、まずこの仲間を疑ってみるのが良いでしょう。

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Barringtonia pauciflora King, J. Asiat. Soc. Bengal, Pt. 2, Nat. Hist. 70: 137 (1901).
Barringtonia longipes Gagnep., Notul. Syst. (Paris) 3: 384 (1918).
Distribution: Malaysia, Thailand, Vietnam+?

Barringtonia_pauciflora
ベトナムでは標高300-800mの森に、ごく普通に生えている種。柄が長い点がこの種の特徴。

Barringtonia_pauciflora2
葉裏の脈は網目状。

Barringtonia_pauciflora3
果実は5㎝ほどと結構大きくてずっしり。花序と果実は確かにサガリバナによく似ていますね。

2014年8月18日 (月)

Dichapetalum tonkinense Engl.

昨日のCroton caudatusのすぐ隣に生えていた木本つる植物。これを見て何の仲間かぱっとわかる方はなかなかの熱帯の植物通。

正解は・・・日本ではまだ自生が見つかっていないDichapetalaceaeのDichapetalum属の植物でした!

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Dichapetalum tonkinense Engl., Bot. Jahrb. Syst. 23: 143 (1896).
Distribution: China?, Laos?, Vietnam.

広義でDichapetalum longipetalum (Turcz.) Engl. のシノニムにされることもあるが、雰囲気からして一緒にしたくないのでここではD. tonkineseとして紹介しておきます。

Dichapetalum_tonkinense
Dichapetalumは東南アジアに数種ありますが、あちこちの森で普通に見られます。

Dichapetalum_tonkinense2
葉の両面に光沢があり、葉裏の脈は側脈の間を水平に走る脈とさらに細かい網状脈が目立ちます。若い枝は明るい黄褐色の圧着毛で覆われています。

Dichapetalum_tonkinense3
果実はオレンジ色!灰色~黒色となったモノクロの植物標本しか見たことなかったから、生品を見て衝撃を受けました。こんなハデなやつだったとは。全体を柔らかい毛が覆っています。枝に皮目があるのもこの仲間の特徴のひとつ。

2014年8月17日 (日)

Croton caudatus Geiseler

無事、インドネシアから帰国しました。しばらくは日本にいることになっているので、更新を再開します。

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Croton caudatus Geiseler, Croton. Monogr. 73 (1807).
Distribution: Bangladesh, Bhutan, Cambodia, India, Indonesia, Malaysia, Philippines, Sri Lanka, Thailand, Vietnam.

Croton_caudatus
つる性のCroton。つるになるCrotonがあったとは、びっくりでした。

Croton_caudatus2
葉裏の様子。全体的に、特に脈上に黄褐色の星状毛が生えています。

Croton_caudatus3
Crotonらしく花序は頂生。果実は直径約1.5㎝ほど。

2014年8月 3日 (日)

Cyathocalyx annamensis Ast

先週末から急きょ来客があり、この方が朝から夜遅くまで本当によく働く方でして、、、そちらにお付き合いしていたらこちらも多忙を極め、更新が止まってしまいました。でもその分仕事がずいぶん捗ったので感謝感謝。

いやはや日本にいてもなかなか落ち着くことができませんね。明日からはインドネシア。行ってきます。

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Cyathocalyx annamensis Ast, Notul. Syst. (Paris) 9: 78 (1940).
Distribution: Vietnam.

Cyathocalyx_annamensis1
この属は葉っぱしか見たことがなく、ついに花を見ることができて感動もひとしおです。

Cyathocalyx_annamensis2
葉裏はテカテカ。思わずBeilschmiediaと間違ったほど。

Cyathocalyx_annamensis
花の様子。Annonaceaeらしい、とても甘いいい匂いがします。

Cyathocalyx_annamensis3
正面から見るとこんな様子。花弁は肉厚ですが、基部にポリネーターが入れる隙間が僅かに空いているのが分かります。

2014年8月 2日 (土)

Ficus variolosa Lindl. ex Benth.

標高1300mを越える森でFicusを見つけました。ベトナムはまだ同定していないFicusがたくさん、ぼちぼち頑張ります。

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Ficus variolosa Lindl. ex Benth.
Distribution: China, Laos, Vietnam.

Ficus_variolosa
Ficus ischnopoda Miq.を小さくしたような可愛らしいFicus。

Ficus_variolosa2
葉裏の脈は細かい。托葉も小さいながら、Ficusっぽい立派な形をしています。

Ficus_variolosa3
果実は赤色に熟していました。

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