« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »

2014年6月

2014年6月30日 (月)

Phyllanthus microcarpus (Benth.) Müll.Arg.

Phyllanthusをもう1種。最初は Breynia vitis-idaea かと思ったのですが、調べてみたら全然違ってこの種になりました。相変わらずこの辺のグループは難しい。

-----------------

Phyllanthus microcarpus (Benth.) Müll.Arg., Linnaea 32: 51 (1863).
Description: Cambodia, China, Indonesia, Sri Lanka, Malaysia, Thailand.

Phyllanthus_microcarpus
葉は2..5-3.5 ㎝ほど。標本にしたときに光沢が強く出る(特に表面)のが特徴。

Phyllanthus_microcarpus2
葉裏は青白く、三次脈もはっきり見えます。

Phyllanthus_microcarpus3
果実は柄があり、1つずつ。

2014年6月29日 (日)

Phyllanthus phuquocensis Beille

昨日に続き、Phu Quocで記載された植物をもう一種。見慣れぬPhyllanthusを見つけ、調べてみたらこの種にたどりつきました。Phyllanthusは分類が難しく、苦手科目なのですが、これだけ特徴がはっきりしている種だと楽でいいですね。

------------------
Phyllanthus phuquocensis Beille,  Fl. Indo-Chine 5: 581 (1927).
Distribution: Cambodia, Vietnam.

Phyllanthus_phuquocensis
1m程度の低木で葉はだいたい5-7㎝ほど。

Phyllanthus_phuquocensis2
葉裏は真っ白。やや乾燥したところに地に生えるためか、葉はやや厚め。

Phyllanthus_phuquocensis4
Phyllanthusは雌雄異花。こちらはきっと雄花で、葉腋から1-3個出ていました。

Phyllanthus_phuquocensis3
雌花は葉腋にほぼ1個つずつ。果実の柄はなく、ガクが大きくなるのが特徴といったところでしょうか。

2014年6月28日 (土)

Croton phuquocensis Croizat

ベトナムのPhu Quocという島で得られた標本をもとに記載された植物。他にもAlbizia quocensis、Phyllanthus phuquocensis, Aglaia quocensis Pierre などなど、quocensisとつく名前の植物がいくつかあり、この島はそうした植物のtype localityとなっています。私自身はまだ訪れたことがないので、遊びに行ってみたい場所のひとつでもあります。

---------------------
Croton phuquocensis Croizat, J. Arnold Arbor. 23: 44 (1942).
Distribution: Cambodia, Thailand, Vietnam.

Croton_phuquoacensis
4-6mほどの木になるCrotonで、低地の流れの急な渓流沿いで生えているのを見つけました。

Croton_phuquoacensis2
葉裏の様子。低い鋸歯があります。

Croton_phuquoacensis3
展葉して成熟した葉はこちら。意外と厚みがあります。

2014年6月27日 (金)

Drypetes indica (Müll.Arg.) Pax & K.Hoffm.

タイの山の標高900m-1200mで出会ったDrypetes。調べてみると、インドから広く分布する種でした。

---------------------
Drypetes indica (Müll.Arg.) Pax & K.Hoffm., Pflanzenr. IV, 147, XV: 278 1922.
Distribution: Bhutan, China, India, Myanmar, Sri Lanka, Thailand.

Drypetes_indica
何というか・・・表から見てもやっぱりあまり特徴のない葉っぱと枝ぶり。

Drypetes_indica2
しかし葉裏を見れば一目瞭然、この緑色とテカテカ具合、細かい網状脈、主脈が黄色い辺りはいかにもDrypetesです。

Drypetes_indica3
果柄は3㎝ほどで、果実のサイズは直径約1.8㎝。想像していたより大きくてびっくりでした。

2014年6月26日 (木)

Balakata baccata (Roxb.) Esser.

バラカタバッカータ!、呪文のような名前で一発で覚えてしまうトウダイグサ科の高木。最初は同定に苦労しましたが、一度認識してしまえば特徴も分かりやすく、あちこちの森にごく普通に生えている種類でした。

--------------------
Balakata baccata (Roxb.) Esser, Blumea 44: 155 (1998).
Sapium baccatum Roxb., Fl. Ind. (Roxburgh) 3: 694 (1832).
Distribution. Bangladesh, Cambodia, China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Nepal, Thailand, Vietnam.

Balacata_baccata
この木は高さ約30mほど。木の左側にいる人物はワタシです。

Balakata_baccata
上の写真の枝を落としてみたら、花が咲いているところでした。高すぎて下から見上げたときは全然気づきませでした。これはラッキー。

Balakata_baccata4
変なところに腺がありました。

Balacata_baccata2
葉裏は無毛で緑白色。

Balacata_baccata3
Sapiumで記載されたのも納得する花序ですね。

2014年6月25日 (水)

Alstonia scholaris (L.) R. Br

やや乾燥にも強いようで、低地から山地かけて広く、そしてやや普通に分布しているAlstoniaの一種。街中でも植木としてときどき植えられています。

-----------------
Alstonia scholaris (L.) R. Br, Mem. Wern. Nat. Hist. Soc. 1: 76 (1810).
Distribution: Australia, Cambodia, China, India, Laos, Malaysia, Myanmar, Sri Lanka. Thailand, Vietnam.

Alstonia_schoralis
葉は6-10枚ほどが輪生。まだ展葉したてで黄緑色ですが、落ち着くと濃い(灰)緑色に。

Alstonia_schoralis2
無毛でテカテカ。脈は多い。

Alstonia_schoralis3
花序はあまり長くなく、小さなクリーム色の花をたくさん咲かせます。夜中になると非常に強い匂いを出し、人によっては大嫌いな匂いとなるようで、私の知り合いのタイ人は職場に植えられていたこの木をあるとき切り倒していました・・・。

2014年6月24日 (火)

Actephila nitidula Gagnep.

カンボジアの低地で見かけた1mに満たない低木。調べてみるとActephilaという聞いたこともない属の植物でした(いやはや、そんなのばっかりです)。

------------------
Actephila nitidula Gagnep., Bull. Soc. Bot. France 71: 566 (1924).
Distribution: Cambodia, Vietnam.

Actephila_nitidula
葉は両面無毛で、種小名の通り光沢があり、標本にしてもテカテカ。

Actephila_nitidula2
こちらは雄花。枝から小さな花をなんだか申し訳なさそうにつけている感じ。

Actephila_nitidula3
一方、果実は大きく、非常に目立って存在感があります。Actephila属の雌花は花柄が長く伸び、ガクも果実が膨らむに従って大きくなるものが多いそうです。

2014年6月23日 (月)

Cynanchum corymbosum Wight

イケマの仲間はどうも温帯の植物というイメージがありましたが、カンボジアの森で伐採用道路に生えているのを発見。ざっと調べたところ、確かに熱帯に分布する種数は少ないですが、何種類かは分布している模様。今回の種は広域分布するC. corymbosumに同定しました。

---------------
Cynanchum corymbosum Wight, Contr. Bot. India 56 (1834).
Distribution: Cambodia, China, India, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Cynanchum_corymbosum
葉は対生し、どこからどうみてもイケマ属。

Cynanchum_corymbosum2
葉裏はやや青白い。

Cynanchum_corymbosum4
葉腋から花序を出し、サワヤカな色合いの花を咲かせていました。花序の形がコイケマとは少し違いますね。

Cynanchum_corymbosum3
花のアップ。イケマはガガイモ科AsclepiadaceaeはAPG体系ではキョウチクトウ科Apocynaceaeに含まれています。

2014年6月22日 (日)

Glochidion lanceolarium (Roxb.) Voigt

カンボジアの低地に生えていたGlochidion。こんな大きな葉を持つGlochidionはこれしかない!ということであっさり同定してしまいました。おそらくこの種でいいはず。Glochidion, Phyllanthus, Sauropus, Breynia、この辺りの分類はいつまでたっても苦手科目。属の概念ですらまだよく把握できていません。

--------------------
Glochidion lanceolarium (Roxb.) Voigt, , Hort. Suburb. Calcutt. 153 (1845).
Bradleia lanceolaria Roxb., Fl. Ind. ed. 1832 3: 697 (1832).
Distribution: Cambodia, China, India (type), Laos, Thailand, Vietnam.

Glochidion_lanceolarium
皆伐された跡地ににょきっと生えていて、何だろうと思って藪をかき分けていくとGlochidionでした。確かに枝ぶりもGlochidionです。

Glochidion_lanceolarium2
葉は12-18㎝程で、左右非対称。やや厚く、標本にしても光沢が残ります。

Glochidion_lanceolarium3
葉裏はやや白味を帯び、無毛。果実を葉腋にたくさんつけていました。写真では分かりませんが、果実には毛が生えているのも重要な特徴のひとつです。

2014年6月21日 (土)

Alstonia macrophylla Wall. ex G.Don

Apocynaceaeの高木で、30mに達します。花が咲いているのは下から見てすぐ分かったのですが、枝を落とすのに苦労したものです。

---------------
Alstonia macrophylla Wall. ex G.Don, Gen. Hist. 4: 78 (1837).
Distribution: Cambodia, India, Malaysia, Philippines, Sri Lanka, Thailand.

Alstonia_macrophylla
葉は成木の上部の葉は20㎝程度ですが、幼木では40㎝ほどのものも。

Alstonia_macrophylla2
他のAlstoniaと同様、葉は3-4輪生で、全体に微毛が生えています。

Alstonia_macrophylla3
花序には小さな白い花が多数咲きます。

2014年6月20日 (金)

Combretum sundaicum Miq.

前回のタイで見たことのないCombretumに出会いました。調べてみるとどうやらC. sundaicumという種のようです。これで今のところ、同定できていないCombretumはあと1種。何という種に行き当たるか、楽しみです。

-------------
Combretum sundaicum Miq., Fl. Ned. Ind., Eerste Bijv. 327 (1861).
Distribution: China, Indonesia, Malaysia, Singapore, Thailand, Vietnam.

Combretum_sundaicus
葉は広楕円形~広卵形、葉質がやや薄く、緑色がサワヤカです。

Combretum_sundaicus2
葉裏の脈はよく見える方。側脈は裏面に凸となります。

Combretum_sundaicus3
花筒が長くfunnel shapeとなるのが特徴、おそらくこの種でいいでしょう。

2014年6月19日 (木)

Streptocaulon juventas (Lour.) Merr.

森の中より道路沿いの藪や田畑の横の茂みなど、人里近くに普通に生えているStreptocaulon juventas。カンボジアではあちこちで生えているのを目にします。

------------------------
Streptocaulon juventas (Lour.) Merr.,
Distirbution: Cambodia, China, India, Laos, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Streptocaulon_juventas
つる性の植物。Streptocaulonの中には低木になる種もあるとか。見てみたい。

Streptocaulon_juventas2
葉裏はビロード状の毛に覆われ、触り心地はGood。基部はややcordate気味。

Streptocaulon_juventas3
花は小さく、6-7㎜。花弁は黄色を帯びています。

Streptocaulon_juventas4_2
果実は10㎝前後まで長く伸び、これもびっしりと毛に覆われていました。

2014年6月18日 (水)

Epigynum cochinchinensis (Pierre) Mabb.

東南アジアのEpigynumについてはMiddleton博士によってレビューが出ています。この論文によると、東南アジアにはひとまずE. auritum, E. cochinchinense, E. graciliflorum, E. griffithianum, E. ridleyiの5種の分布を挙げています。私はまだ2種しか出会っていません。(ひとまず、としたのは、E. auritumとE. graciliflorumの分類がまだはっきりしないため)。

-------------------
Middleton D.J. 2005.  A revision of Epigynum (Apocynaceae: Apocynoideae). Harvard Papers in Botany, 10(1): 67-81.
-------------------
分布図と標本画像もついていて、非常に分かりやすいです。

-------------------
Epigynum cochinchinensis (Pierre) Mabb.,  Kew Bull. 49: 304 (1994).
Nouettea cochinchinensis Pierre, Bull. Mens. Soc. Linn. Paris n.s., 1: 30 (1898).
Distribution: Thailand, Vietnam.

Epigynum_cochinchinensis
E. griffithiiに比べて全体的にサイズの大きなE. cochinchinensis。花のサイズも東南アジアの中では一番大きいようです。

Epigynum_cochinchinensis2
葉裏は白色を帯びず、

Epigynum_cochinchinense4
花は3-4㎝で白色~わずかにピンク色を帯びるものも。花筒がわずかにカーブしているのもこの種の特徴のひとつとありました。

2014年6月17日 (火)

Epigynum griffithianum Wight

Apocynaceaeは白い花が多いですね。この種もインドシナ半島では広く分布していて、やや普通に見ることのできる種のひとつ。

種小名はイギリス人医師のWilliam Griffithに献名したもの(と思います)。彼はインドやミャンマーを中心に植物採集を精力的に行った人物。Elaeocarpus griffithii A. Gray, Rhododendron griffithianum Wight、 Anacolosa griffithii Mast.など、彼の名にちなんだ(と思われる)多くの植物が知られています。また、Calamus palustris Griff., Isonandra obovata Griff (=Palaquium obovatum (Griff.) Engl.),
Tristania merguensis Griff. (=Tristaniopsis merguensis (Griff.) Peter G.Wilson & J.T.Waterh.) などなど、彼が記載した種も数多くあります。

--------------------------
Epigynum griffithianum Wight, Icon. Pl. Ind. Orient. 4: t. 1308 (1848).
Distribution: Cambodia, India, Laos, Malaysia (Peninsula), Myanmar, Thailand, Vietnam.

Epigynum_griffithii
葉の表面は深緑色をして、7-8対の側脈、黒紫色を帯びる枝、といったところがこの種の識別形質。葉のサイズは林内の日蔭では大きく、かなり変異します。

Epigynum_griffithii2
葉裏はやや白色を帯び、三次脈までうっすらと見える程度。

Epigynum_griffithii3
花は頂生。花筒はやや長く2-2.5㎝ほど。

2014年6月16日 (月)

Parameria laevigata (Juss.) Moldenke

今日もApocynaceaeのつるを一種。東南アジアに広く分布しており、やや乾燥する季節林~常緑樹林で割と普通に見ることのできる種、Parameria laevigataです。

--------------------
Parameria laevigata (Juss.) Moldenke, Revista Sudamer. Bot. 6: 176 (1940).
Aegiphila laevigata Juss., Ann. Mus. Hist. Nat. 7: 76 (1806).
Distribution: Cambodia, China, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Philippines, Thailand, Vietnam.

Parameria_laevigata
葉はおおよそ5-9㎝。明るい林縁でよく見かけます。

Parameria_laevigata2
葉のサイズや側脈の数もSindechites chinensis に比較的似ていますが、Parameria laevigataは側脈の基部にdomatiaがあるのが最大の特徴。花がなくても容易に識別できます。

Parameria_laevigata3
花は6-7㎜程度と小さく、でも形はしっかりApocynaceae。花はとっても良い香りがします。

2014年6月15日 (日)

Sindechites chinensis (Merr.) Markgr. & Tsiang

これも初耳の属でした。つる性のApocynaceaeで、花は5月、果実は10月にタイ南西部(ほぼ同じ場所)で撮影しました。

------------------------
Sindechites chinensis (Merr.) Markgr. & Tsiang, Sunyatsenia 3: 152 (1936).
Epigynum chinense Merr., Philipp. J. Sci. 23: 262 (1923).
Distribution: China, Laos, Thailand.

Sindechites_chinensis
花は頂生、芳香のある白い花をつけます。

Sindechites_chinensis2
基本的に葉や茎は無毛で、側脈は3-4対。


果実は10㎝以上に伸長します。Apocynaceaeは花からは想像できないほど、果実を大きく発達させる種がたくさんありますね。

2014年6月14日 (土)

Holarrhena curtisii King & Gamble

現在手元にある写真の関係上、掲載種のFamilyがあちこち飛んですみません。今日はApocynaceae。この科も属が多く、フィールドで会っても属の分からない種類ばかり。少しずつ勉強しながら、既知の属を数を増やしていっています。

--------------------
Holarrhena curtisii King & Gamble,  J. Asiat. Soc. Bengal, Pt. 2, Nat. Hist. 74(2): 446 (1908).
Distribution: Cambodia, Laos, Malaysia, Thailand, Vietnam.

Holarrena
やや乾燥する明るい草地や落葉フタバガキ林の林床に生える、1mに満たない低木。

Holarrena2
葉裏の脈はいかにもApocynaceaeっぽい。

2014年6月13日 (金)

Terminalia pierrei Gagnep.

タイの南西部で出会って、名前の分からなかったTerminaliaを同定しました。Terminalia darfeuillana Pierre ex Laness. との関係性がまだよく分かっていませんが、タイではT. pierreiと呼ばれており、おそらくこの種でいいはず。分布域ははっきりとは確認できていません。

---------------------
Terminalia pierrei Gagnep., Notul. Syst. (Paris) 3: 286 (1916).
Distribution: Cambodia, Thailand, Vietnam + ?

Terminalia_pierrei
標高600mのやや乾燥した岩の露出した尾根にて。

Terminalia_pierrei2
葉裏全体に毛が生え、三次脈は隆起してはしご状になっています。これはかなり特徴的。

Terminalia_pierrei3
果実は約1.5㎝と小さく、Terminaliaの中では可愛らしい部類。

2014年6月12日 (木)

Suregada glomerulata (Blume) Baill.

Suregadaと言えば東南アジアでは広く分布して普通に見られるS. multifloraが有名ですが、S. glomerulataも点々と生えています。

約1.mほどの低木で、カンボジアではやや乾燥する攪乱された低地林に生えていました。タイではまだ見つかっていないのか、生えていないことになっているようです。ときどきありますが、面白い分布パターンですね。

------------------
Suregada glomerulata (Blume) Baill.

Distribution: Australia, Cambodia, Indonesia, Malaysia, Philippines, Timor, Vietnam.

Suregada_glomerurata
S. multifloraより節間が短く、葉も果実も小型。

Suregada_glomerulata2
葉裏も無毛でテカテカ。網状脈がうっすらと見えます。

2014年6月11日 (水)

Excoecaria cochinchinensis Lour.

昨日紹介したE. oppositifoliaのすぐ近くに生えていたE. cochinchinensis。こちらの葉は小型で、1m程度の低木でした。

-------------------
Excoecaria cochinchinensis Lour., Fl. Cochinch.: 612 (1790).
Distribution: Cambodia, China, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Excoecaria_cochinchinensis
葉はほぼ対生。

Excoecaria_cochinchinensis2
葉裏が緑色なので変種var. viridis (Pax & K.Hoffm.) Merr. となるようです。葉裏が赤紫色になるvar. cochinchinensisは広く栽培されているそうで、ネットで画像検索すると確かにたくさんそれっぽいものが出てきます。斑入りのものも。、

Excoecaria_cochinchinensis3
果実も葉と同様に小さく、こちらは明らかにEuphorbiaの果実に見えます。

2014年6月10日 (火)

Excoecaria oppositifolia Griff.

Euphorbiaceaeの植物は熱帯でも多様に分化しており、森林の重要な構成要素となっています。

タイのEuphorbiaceaeと言えば、Peter van Welzen博士、Kongkanda Chayamarit博士によってFlora of ThailandのVol. 1 & 2で綺麗にまとめられています。そのwebsite版はこちら
---------------------
Welzen, P.C. van & K. Chayamarit. Flora of Thailand Euphorbiaceae. Nationaal Herbarium Nederland, Leiden; Forest Herbarium, National Park, Wildlife and Plant Conservation Department, Bangkok.
---------------------
ここで扱われている多くの種はインドシナ半島やマレー半島に広く分布しているため、他の地域のEuphorbiaceaeを調べる際にもとても参考になり、大変重宝しています。ありがたやありがたや。

という訳で、多様化しているEuphorbiaceaeですが、分類がしっかりされている分、同定するのは比較的楽な分類群なのでした(いや、あくまで他と比べて、という意味合いです。まだまだ知らない属が多く、世界にEuphorbiaceaeは約220属6000種あるそうです。数字だけ聞くとすぐに挫折してしまいそう・・・)。

--------------------
Excoecaria oppositifolia Griff.,  Calcutta J. Nat. Hist. 4: 386 (1844).
Distribution: Cambodia, India, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Excoecaria_oppositifolia
対生するEuphoribaceae、Mallotusの一部などでもときどき出てきます。タイでは標高約300mの小川近くの湿った常緑樹林に生えていました。

Excoecaria_oppositifolia2
全体無毛で葉は大型。

Excoecaria_oppositifolia3
果実は2.5㎝程度とやや大きめ。枝や葉の切断面からは白い液が出てきます。

2014年6月 9日 (月)

Trigonostemon pierrei Gagnep.

ベトナムとカンボジアの南部に分布している Trigonostemon pierrei。1.5m程度の低木で、低地の常緑樹林の林縁部に多く見られます。

-------------------------
Trigonostemon pierrei Gagnep., Bull. Soc. Bot. France 64: 752 (1922) [publ. 1923].
Distribution: Cambodia, Vietnam.

Trigonostemon_pierrei
葉は細長く、10-15㎝程度。

Trigonostemon_pierrei4
2-5㎝の短い花序に赤紫色の小さな花を咲かせます。

Trigonostemon_pierrei3
花序は短くても果実はやっぱりTrigonostemonっぽい。ガクは開花時に比べて大きくなります。


2014年6月 8日 (日)

Euphorbia heterophylla L.

アメリカ大陸が原産とされる帰化植物。草丈1m程度の草本で、東南アジアでは結構ふつうにみかけます。

---------------
Euphorbia heterophylla L., Sp. Pl.: 453 (1753).
Distribution: New World, weeded in pantropical area

Euphorbia_heterophylla
ポインセチア(Euphorbia pulcherrima Willd. ex Klotzsch)を貧弱した印象。

Euphorbia_heterophylla2
葉裏の様子。上部の葉は対生しますが、株の葉は互生。茎には開出毛が生えています。

Euphorbia_heterophylla3
雄花と雌花、腺体と一通りそろったこの杯状花序はまさにEuphorbia。

2014年6月 7日 (土)

Trigonostemon reidioides (Kurz) Craib

タイから無事帰国しました。6月の第1週はもう終わり。今月の残りは色々と溜まっている仕事をやっつけたいところです。

--------------------
Trigonostemon reidioides (Kurz) Craib, Bull. Misc. Inform. Kew 1911: 464 (1911).
Distribution: Cambodia, Laos, Thailand, Vietnam

Trigonostemon
乾燥する明るい草地やフタバガキ林に生える高さ1.5m程度の低木。

Trigonostemon3
葉裏は有毛で、三次脈が浮き出ています。

Trigonostemon2
長い花序に赤紫色の花を数個つけます。

2014年6月 6日 (金)

Thyrsanthera suborbicularis Pierre ex Gagnep.

1属1種のThyrsanthera suborbicularis。20㎝程度の低木で、カンボジアでは低地の明るい乾燥フタバガキり林などに散見されます。

-----------------------
Thyrsanthera suborbicularis Pierre ex Gagnep., Bull. Soc. Bot. France 71: 878 (1924) [publ. 1925].
Distribution: Cambodia, Thailand, Vietnam

Thry
黄金色に縁どられた葉と、下の写真にある葉裏の脈の様子がとても特徴的で、今のところ他に似た種は知りません。

Thry2
脈上には毛がびっしり。

Thry3
花序はCrotonと同じでterminal、基部に近い方は雌花、上部は雄花をつけます。

2014年6月 5日 (木)

Flueggea virosa (Roxb. ex Willd.) Royle

広域に分布しているそうですが、今回のタイで初めてこの種を認識しました。属名はgの音が2つも続いていてどのように発音して良いのか、、、ちょっと覚えにくそうな名前です。

---------------------------
Flueggea virosa (Roxb. ex Willd.) Royle, Ill. Bot. Himal. Mts. 328 (1836).
Distribution: Africa to SE Asia

Flueggea_virosa
形態も何だかこれといった特徴もなく、、、Phyllanthaceaeの植物で、PhyllanthusをFlacourtiaっぽくした印象。

Flueggea_virosa2
葉裏は緑白色。

2014年6月 4日 (水)

Cladogynos orientalis Zipp. ex Span.

葉裏が真っ白になるEuphorbiaceaeは他にもあります。Cladogynos属はこの1種のみで、特徴の多い種なのですぐに認識できました。

--------------
Cladogynos orientalis Zipp. ex Span., Linnaea 15: 349 (1841).
Distribution: Cambodia, Cambodia, Indonesia, Laos, N Malaysia, Philippines, Thailand, Vietnam

Cladogyne_orientalis
1-1.5m程度の低木で、やや乾燥する林の林縁部に多く見られます。

Cladogyne_orientalis2
葉縁には粗い鋸歯があり、葉裏は真っ白。

Cladogyne_orientalis3
葉腋から団子状の花序をつけていました。

2014年6月 3日 (火)

Sumbaviopsis albicans (Blume) J. J. Smith

Sawadiiiiiiiiiiiii klab!! 更新がしばらく途絶えていましたが、実はタイの森に入って植物を追いかけていたのでした。雨季の始まりのこの時期は花や果実がとても多いですね。念願の野生のライチ(Litchi chinensis)やランブータン(Nephelium spp.)の果実をようやく目にするこたができたのがとても印象的でした。嬉しい限りです。しかしながら、本当にいろいろ出会ったのですが、、、調査の後半にカメラのバッテリー切れで肝心の写真が撮れなくなってしまったのが心残りです。ああ、本当にごめんなさい。

Smilacaceaeの紹介がまだ途中でしたが、同定が追い付いていないので(私の時間稼ぎも兼ねて)大きなグループのEuphorbiaceaeをしばらくお楽しみください。

----------------------
Sumbaviopsis albicans (Blume) J. J. Smith, Med. Dep. Landbouw.  10: 357  (1910). 
Distribution: China, India, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.

Sumbaviopsis_albicans

20㎝以上の大型の葉をつける低木で、林縁部などのやや明るい環境に多く見られます。

Sumbaviopsis_albicans2

葉裏は真っ白。種小名はこの様子に由来しているのでしょう。

Sumbaviopsis_albicans3

果実は長い柄をもち、褐色の毛で覆われていました。

 

« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »

カテゴリー

無料ブログはココログ