Sageraea elliptica (A.DC.) Hook.f. & Thomson
今日はSagraea。Annonaceaeはまだまだ見たことない植物が多くて大変なのですが、この属に含まれる種は少なく、インドシナ半島ではおそらくこの種のみ。Sageraea elliptica自体は広域分布種で、ポツポツと、ときには群生し、100-600mぐらいの森林に生えています。
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Sageraea elliptica (A.DC.) Hook.f. & Thomson, Fl. Ind. [Hooker f. & Thomson] 1: 93 (1855).
Distribution. Cambodia, India, Indonesia, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam.
葉は大型でだいたい20㎝以上。長楕円形をしています。互生して、単葉で、鋸歯が無くて、光沢のある何とも特徴のない葉から、初見のときは単純にDiospyros(カキ属)の植物と思ってしまったのでした。
葉裏はテカテカ。側脈が判別できる程度で、三次脈は見えません。葉の下に隠れるように花芽がちらりと見えていますが、花は1㎝にも満たず、小さいです。
大型の葉をしているのに、花はとても小さく、枝や幹に黄色い花を1~数花咲かせます。
果実をよくよく見ればヘタ(ガク)がなく、Diospyrosではありませんでした・・・。
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Dasymaschalon blumei は私のHPで掲載予定していますがDesmos dasymaschalusとシノニムとされていることがあります。Desmos属だと著名なDesmos chinensisを掲載済みなので、この属に追加掲載するべきかなと迷っています。ご指導いただければ幸いです。
投稿: モンチ | 2014年3月 1日 (土) 00時13分
その植物はDesmos属の植物ではなく、Dasymaschalon属の一種であると私は判断しています。
また、インドネシアのJava産の標本を基に記載されたDasymaschalon blumeiですが、この名前は最近Turner (2007)によってと整理され、
Dasymaschalon dasymaschalum (Blume) I.M.Turner
という学名が提唱されています。私は今後の混乱を避けるためにも、こちらの名前を用いておくのが無難だと思います。(もちろんシノニムとしてDasymaschalon blumeiやDesmos dasymaschalusを併記しておくと尚良いと思います)。
Annonaceaeは属がコロコロと変わってきたので難しいですね。詳細は以下の文献に。
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Turner, I. M. (2007) Two new names and two new combinations in Malesian Annonaceae . Gardens’ Bulletin, Singapore 58: 275–278..
Wang J, P. Chalermglin, R.M.K.Saunders (2009) The Genus Dasymaschalon (Annonaceae) in Thailand. Syst. Bot. 34: 252-265.
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投稿: crassa | 2014年3月 1日 (土) 08時00分
なお、学名の状態は以下のサイトで確認することができます。右側のSearchの欄に属名と種小名を入力して検索でき、accepted, synonym, unsolvedなどとして表示されます。
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The Plant List
http://www.theplantlist.org/
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ただし、このサイトはこれまでの誰かの見解をもとに作成・運営しているものであるため、ここで提示された名前全てが正しい訳ではありません(私自身、自分の見解と異なる場合も少なからずあります)。その辺りを理解された上で利用する場合は、とても便利なサイトとして活用可能です。
投稿: crassa | 2014年3月 1日 (土) 08時39分
早速 The Plant List(http://www.theplantlist.org/)でチェックしました。
Dasymaschalon dasymaschalum (Blume) I.M.Turnerがacceptedですね。
実はThe Plant Listでチェックする術を私は知りませんでした。これを教えて戴いて本当に有難いです。これまで迷っていた掲載の学名についてはThe Ptant Listでチェックしてみます。ご指導に感謝感謝です!
私はバンレイシ科の植物の果実はなかなか見つけられないのですが、crassaさんはどうしてこんなに見つけられるのか不思議です!
投稿: モンチ | 2014年3月 1日 (土) 23時45分
ちなみに、検索結果が表示されたページではその学名が最初に発表された文献も表示されます(ときどき表示されないこともありますが)。D. dasymaschalumの場合は「Gard. Bull. Singapore 58: 276 2007.」とありますね。
また、下の方にある「Herbarium catalogue Royal Botanic Gardens, Kew」というところをクリックすると、Kew植物園で公開しているこの種の画像データベースに直接飛べます(Kewに収蔵されていないもの、画像公開されていないものについてはNo Resutls Foundとなってしまいます)。
私も最初は何も知らず、先生方に色々と教えていただきました。とても便利ですよね。感謝感謝です!
Annonaceaeは花も果実も結構シーズンがあるようで、5-9月頃が狙い目です。この時期に道路際の藪や林縁部を探してみると、結構見つかるかもしれません。面白いバンレイシ科の植物を発見した際には、是非紹介してください。楽しみにしております。
投稿: crassa | 2014年3月 2日 (日) 07時19分