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2010年8月

2010年8月31日 (火)

Eulophia graminea

日本にも沖縄県に分布するエダウチヤガラ。インド~インドシナ半島~中国~日本と広域分布する種とのことで、タイでは2009年11月10日、ミャンマーに隣接するカンチャナブリ県にて出会いました。
Eulophia_graminea

日本ではこの属はイモネヤガラしか見たことなかったので甚く感動しました。自生地の様子はこんな感じ。左下はKamepferi、その反対側はベニバナボロギク?のような雑草です。
Eulophia_graminea2

とはいえ、乾季に開かれる園芸市では、この仲間の数種類が売られていたりします。市場ではフィールドで普通見ることのできない拳サイズの大きな偽球茎を見ることができ、別の意味でとても印象的でした。

手持ちのタイのラン図鑑によると、Eulophia属の植物が全部で10種(11種)ほど紹介されていました。花の色も黄色、赤紫、緑など多様化しているようです。
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E. andamanensis
E. geniculata
E. graminea(エダウチヤガラ)
E. herbacea
E. macrobulbon
E. pauciflorum
E. spectabilis
E. zollingeri(イモネヤガラ)

E. pauciflora (上のE. puciflorumのどちらかが学名の誤り?)
E. bicallosa
E. flava
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2010年8月30日 (月)

Ceropegia sp.

6月26日にSaithong National Parkで見た植物。

花や苞からしてヒルガオ科(Convolvulaceae)の植物? 葉の週縁部は赤みを帯びていて、ミヤマウグイスカグラを彷彿とさせます。数個の花で1つの花序を形成するようで、どんな花が咲いて、どんな果実が出来るのでしょうか。
Convolvulaceae

※ヒルガオ科(Convolvulaceae)の植物として紹介しましたが、ガガイモ科(Asclepiadaceae)のCeropegia属の植物であるようです。sandoさん、ご指摘ありがとうございました!

2010年8月28日 (土)

職場泊を終えて

先日の結果について。丸一日をかけて1~2時間おきに花粉を集めて培地上で発芽率をチェックしたところ、朝5時半に開花が始まり8時半には発芽しなくなっていました。やはり朝咲きでした。この植物は交配に比較的用いやすくて良かったです。出来ればもう1~2度は反復+同種の別系統で確認しておきたいところ。

夜は2時間おきの観察もさながら、ネコと蚊の襲撃をまともに受けてほとんど眠ることができませんでした。ネコは自業自得ですが、蚊には・・・本当に参りました。

2010年8月25日 (水)

久々の職場泊

昨年から新しく、とある植物の近縁分類群に手を出して収集してきたのだが、それが開花期を迎えている。風媒のイネ科植物の花粉寿命は短い。いつ開花して、得られた花粉はいつまで生きてきるのか。その答えを求めて、今日は職場に一泊コース!

というのは建前でありまして、本音はネコと一緒に寝たいだけ。夜は瞳が大きくなって可愛さアップです!!

2010年8月19日 (木)

Wat Phu Thokの植物

先日のPhu Thokで見た植物の一部です。

Caulokaempferia属の一種。C. saxicola?巨大な岸壁に点々とみられました。
Caulokaempferia_saxicola

花を見れば一目瞭然、イワタバコの仲間でしょう。でも属が同じかまでは判断できません。
Iwatabako

ミゾコウジュの少し大きなロゼット葉にリュウキュウコザクラを連想させる花序。写真を拡大すると分かるのですが、柱頭が花冠から突き出していました。やはりサクラソウ科?うーん、何でしょうか。
Kozakura

急ぎ足でお寺だけお参りするには少し勿体ない程イロイロと生えていましたので、次回があれば是非ゆっくりと観察したいものです。サコンナコン県にはPhu Wua wildlife sanctuaryや石灰岩主体のPhu Phan National Parkがあるそうなのでセットで行くと良いでしょう。あとは時間さえあれば・・・

2010年8月17日 (火)

転倒

来月、日本で開かれる学会の要旨の締切りが今週末であった。発表を2つすることになり、論文さておきで慌てて作成中。といっても私が日本に帰ることはなく、共同研究者に代理で発表していただくことになるのだが。色々溜まっているので明日には完成させてさっさと送っておきたいところ。

夕方、近所に飼われているレトーリーバ-系のイヌ2匹と足下の見えない草原で追いかけっこをしていたら、どこぞの犬が掘ったであろう穴に足を取られて見事にこけてしまった。全力で走っていたので・・・正に一瞬の出来事となり、何が起きたか分からなかった。気がついたときにはおでこと左肩から地面にダイブ、スライディングしていた。結果、おでこに大きな擦り傷ができ、左肩を打撲。足下の見えないところで全力疾走して大転倒するなんてつい数年前にもどこかでやったような・・・全然成長していないというよりは学習能力がないなぁと我ながら感心した。

2010年8月16日 (月)

Amalocalyx microlobus

先日紹介したNan県で見た不明の植物のひとつはAmalocalyx microlobusであろうという結論に至りました。これです、これこれ。
Amalocalyx_microlobus1

葉は対生してガガイモ科によく似ている割には花冠が発達しているし、かといってアカネ科にしては托葉がないし・・・と悩んでいたら、キョウチクトウ科(Apocynaceae)の植物ででした。なるほど。でもあまりキョウチクトウ科らしくない葉っぱですね。茎や葉に毛もあるし。
Amalocalyx_microlobus

図鑑に載っているのは花の色が濃い赤色のものでしたが、今回見たものは全部写真のような淡い色合いのものばかり。広域分布種なので変異があるのでしょう、きっと。本属には他にA. burmanicus, A. yunnanensisという種もあるそうです。

2010年8月14日 (土)

Wat Phu Thok

タイでは今月に入って、新しく県が誕生した(県に昇格した)とのことで、Tさんの親族11人に連れられ、その新しいブンカーン県に遊びに行って来ました。メコン川沿いの東西に細長かったノーンカイ県が二分され、タイ国の県の数は77県になったようです。

今回の目的地はWat Phu Thokというお寺。お寺へはコンケンから北東へ車で300kmちょっとで、ウドンタニで朝ご飯を食べ、3時間半かけてようやく到着しました。お寺は砂岩が風化して形成された岩山に建造されていました。
Phutok

お寺はもちろん山の中、ということで麓から階段を上っていきます。階段を隔てて全部で7層に分かれており、階段を上るごとに仏教の悟りが・・・と説明を受け、解説板もありましたが、タイ語の理解が乏しい私にはさっぱりでした。まっすぐお寺まで上るコースもありますが、途中で道が分かれていてこんなコースも。足場が張り巡らされ、岸壁の植物を見て楽しめるとはいえ、高い所は怖い怖い。
Phutok2

水の滴る岩場もたくさんあり、イワタバコやツリフネソウの仲間が何種類か見られました。が、カメラのバッテリー切れで写真はほとんど撮れず・・・ごめんなさい。写真はウワバミソウ属(Elatostema)の一種の大群落。
Uwzbami

帰りはメコン川沿いを西にノーンカイに抜け、そこから南下してコンケンに無事たどり着きました。この時点で走行距離は700km近く、晩ご飯を食べ終えて夜9時。しかし彼らは明日は仕事だ!と、そのままさらに450km離れたバンコクに帰って行きました。相変わらず元気というか何ともタフな方々です。

メコン川の対岸にそびえる標高1000mを超える立つラオスの山々。東北タイでは分布の少ない植物もこちら側にはたくさんあるのでしょう。と、最近の興味はラオスにも向かいつつあります。
Mekon

2010年8月11日 (水)

Phu Soi Dao National Park

Nan県からの帰りには休憩がてらUttaradit県にある Phu Soi Dao National Parkに寄りました。これはトレイルの入り口にある滝で駐車場のすぐ近くです。
Waterfall2

入り口からこんな滝があり、森が厚そうだったのでゆっくり植物を見て回ろうと思っていたのですが、、、結局はPさんの娘2人と川遊びをする羽目になり、散策する時間がなくなってしまいました。おのれちびっ子め!
Water

でもやっぱり植物が気になってカメラ片手に少しだけフラフラ。滝の上の小川沿いにショウガ科植物が花を咲かせていました。でもやはり種名は分かりません・・・。
Ginger2
Ginger

これはおそらくタキミシダ属(Antrophyum)の一種。コンケン周辺は乾季にひどく乾燥するためシダ相が乏しく、、、こういうシダに会え、甚く感動しました。
Takimisida

同行していたTさん曰く、この川沿いに登山道が伸びていて山の頂き(1633m)まで約5時間で登ることができるとか。きっとPhu Luang National Parkのようなところなのでしょう。「それは何とも楽しそう!いつか来よう!」とお互いすっかり乗り気になり、帰路につきました。

おまけとして、この公園で撮影された花の写真が掲載されたメモ帳(半分は図鑑仕様)を購入したので、いくつか名前を列挙しておきます。
・ Sapria himalayana(花の直径10-15cm程度のラフレシア科の植物)
・ Paphiopedium villosum(言わずと知れたパフィオの一種)
・ Pedicularis evardii(タイで見たい、シオガマギク属!)
・ Lilium primulinum var. burmanicum(タイに分布するユリの一種)
・ Cotylanthera sp.(リンドウ科に属する腐生植物)

この乾季に再訪できますように!

2010年8月10日 (火)

Nan県の植物(不明種)

毎回恒例となったよく分からなかった植物シリーズ。

アカネ科のようなガガイモ科のような・・・。たくさん生えていたのですが、手元にある図鑑に掲載されておらず、まだ不明です。
Akane

これもたくさん生えていました。ユリ科の植物、あるいはツルにならないヤマノイモ科の植物といったところでしょうか。いったいどんな花?
Yamanoimo

Carexの仲間を1種見ました。随分前にドイインタノンで見た種類と同じと思います。白い穂が一際目立っていました。
Carex

果実が熟した様子。さすがにこうなってくると綺麗な白色がいつまでも残っているという訳ではないようです。
Carex2

スレンダーなカヤツリグサの仲間もありました。記憶の限り、これはタイでは初見のはず。ぱっと見はイヌクグという印象ですが、全体的に線が細いです。
Cyperus



2010年8月 9日 (月)

Momorica charantia

コンケンでも、というより我が家の庭にも引っ越してきたときから生えているMomorica charantia。いつも写真を撮りそびれていましたが、Nan県でようやく写真を撮ることができました。
Momordica

タイでは道ばたに果ている雑草で、新しく伸びたつるの先端をさっとお湯に通したり、炒め物として調理して美味しく食べられています。果実ももちろん食べることができますが、小さく、とても苦いのでシュートに比べてあまり食べる人はいないようです。
Momordica_fruit

タイで野生に生えているものはどこで見てもこの程度の果実サイズ。黄色く熟すところや種子の奇抜な橙赤色はゴーヤと同じでした。Nan県で見たものは果実の表面に生えるトゲがよく発達していて驚きました。いくらか遺伝的にも変異があるのでしょうね。
Momordica4

この属ではタイには他にM.cochinchinensis(ナンバンキカラスウリ)とM. subangulataも生えているそうです。私はまだ見たことがなく、どこかに生えていないでしょうか。

2010年8月 7日 (土)

Nan県のラン科植物

訪れた場所はかなり切り開かれているイメージでしたが、林道沿いの僅かに残された森ではランの仲間を4種類確認することができました。いずれも花がなく、正体不明のままですが。

タイで初見のラン、おそらくエビネの仲間?。少し生え際の土をどけると直径5cm程度の大きなバルブが見えました。
Calanthe1_2
Calanthe2_2

もうひとつの地生ラン。コクランを彷彿とさせますが、、、正体は分かりません。
Liparis_2

落下していた枝にくっついていたムカデラン属(Cleisostoma)の一種。
Mukaderan

こちらも落ちていました。この手のランは日本に分布していないのでまださっぱり分かりません。
Orchid_3

2010年8月 6日 (金)

8月の近況

最近は専ら2年間のとりまとめに当たる論文を執筆中。
前回にも増して考察では妄想(というよりは願望?)を散りばめた論文になりそう・・・なので、まずはさっさと書き上げ、しばらく机で眠らせておきたい。今月中に英語にして投稿できますように。

Neko

かねてより募集していた研究アシスタント。
1名応募があったとのことを受け、本日面接を致しました。

やってきたのは3歳年下のタイ人女性。
修士ではキノコの分類をやっていたそうです。
それは面白い!とうことで即採用を決定!!
あまり気の進まないDNA関連の仕事を彼女にやってもらうことにしよう!

2010年8月 5日 (木)

Nan県のガガイモ科植物

地味に人気のあるガガイモ科植物、APG分類体系ではキョウチクトウ科に含まれ、ガガイモ亜科として扱われているそうです。世界には200属2000種以上が分布しているとのこと。熱帯~寒帯まで広く分布しているので、世界の植物を見て回るのなら抑えておきたい分類群のひとつですね。とはいえ、未だに日本のものですらさっぱりなのですが・・・。

さて、Nan県で最初に出会ったのはこのカモメヅル属(Vincetoxicum sp.)の一種でした。シブい花が素敵です。
Kokamo1
Kokamo

山の頂の明るい林下にはこの植物の群落がありました。葉や茎に毛が生え、ガガイモ科らしい大きな果実はもとより、その果実の色合いにびっくりしました。これは何属?
Gagaimo1
Gagaimo
Gagaimo2

ちなみに葉に止まっているチョウはLemon pansy (学名はJunonia lemonias)。下の写真おのSmall long-banded silverline(学名はspindasis lohita)もいました。どちらもタイ全土に分布している普通種だそうです。さすが山だけあって、平地のコンケンと比べてチョウの種類も数も多かったです。
Spindasis_lohita

2010年8月 3日 (火)

Nan県のショウガ科植物

Nan県ではまだ見たことのないショウガ科の植物を見ることが出来ました。タイには26属300種以上の種が分布しているそうで、手元に図鑑もないのでもう何が何だか・・・

ピンク色の花を咲かせるBoesenbergia属の一種。Pa-Hin Ngam National Parkで見たB. rotundaと同じ?
Ginger2

Grobba sp.お馴染みのGrobba属の一種。この山域でもっとも数多く見た種類でおそらく普通種でしょうが、種名はよく分かりません。。。
Grobba

Kaempferiaの葉と思ったら随分K. galangaとは全く異なる色形の花。明るいオレンジ色で、ちょっとシュンランに似て・・・いなくもないか。これから咲き出すようで、たくさん周囲には株がありましたが、咲いているのは一株だけでした。
Ginger4
Ginjrer4_1

白い花のショウガ科植物も1株だけ咲いていました。唇弁に黄色が入っていました。
Ginjer3
Ginjer3_2

タイのショウガ科については
Larsen K. and S.S. Larsen.2006.Gingers of Thailand. 164pp. Queen Sirikit Botanic Garden, Chiang Mai
という本があるそうです。欲しい!、というよりはその植物園にまずは行ってみたいものです。

2010年8月 2日 (月)

タランチュラ

地面に見つけたちょっと大きいこの穴。蜘蛛の糸が周囲を覆っていたのでもしやと思って中を覗いてみると、想像していたよりはるかに太く、毛の生えた黒い足がたくさん・・・。
Spider1

「これはタランチュラだー!」と、わくわくしながら、その姿を見てみたい一心で、棒でをつついて巣穴から追い出そうとしていたところ、、、同行していたPさんのお父さんが、持って来ていた鍬を使ってあっさりと掘り出してしまいました。穴の深さは15cmちょっとでした。
Spider2

やはり大きい!サイズだけならアシダカグモも負けていませんが、何よりこの足の太さ、そして漆黒色の重量感溢れるクモに感無量でした!!Haplopelma属の一種かな?
Spider3

と、ここまでは良かったのですが、その後、クモはお父さんに捕えられ、牙を折られて葉っぱでグルグル巻きにされてしまいました。持ち帰って食べるのだとか・・・何てモッタイナイ。見つけない方が良かったような・・・そもそもどのくらいの密度で生息しているものなのでしょうね。

ちなみに、この日はサソリを見てみたくて石や倒木をひっくり返しながら行ったのですが、見つけたのはブラーミニ1匹だけでした。

2010年8月 1日 (日)

ツチグリ

Nan県で連れていってもらった山では山を歩きながらキノコ探しを1時間ほど楽しみました。
Tutiguri2

下を向いて探しているキノコというのはこちら。Tutiguri1

写真の下の方に少しだけ白い部分が見えているのがキノコです。これをゆっくり歩きながら探し当てていきます。写真から察することができるように、最初は見つけるのにかなりの苦労を要しました。しかし、目が慣れてしまえば生えている所には固まってあるもので、ボコボコ採れるように。だいたい直径1~2cmのもの。3cmにもなるとそれは生長しすぎて美味しくないとのことで採りませんでした。

で、このキノコ、タイ語ではHed torpと言い(Hedはキノコ、トープは後退する、下降する、遅刻したという意味です)、正体が何なのか良く分からなかったのですが、、、これを見つけて判明しました。
Tutiguri3

日本でもお馴染みのツチグリ!タイでこれまでに料理として食べたことは何度もありましたが、タイでの生えている環境やここまで集めにくいキノコとは知りませんでした。

このツチグリはタイでは1kgが150~250バーツで売れるそうです。マンゴーやランブータン、マンゴスチンなどの果物の多くが1kg25~35バーツと考えるとこの時期には良い稼ぎになりますね。たくさん採るのは大変ですが。。。ちなみにこの日は大人7人がかりで1時間を費やし、2kgだけでした。7で割ると約50バーツ、150円の稼ぎとなります。

美味しいですので皆さんも日本で是非探して食べてみて下さい。私も日本に帰ったら毎年ツチグリを探していそうです、日本に帰ることができたら・・・タイで毎年探していたりして(笑)。

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